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イヌツゲ/いぬつげ/犬黄楊

漢字表記:犬黄楊(いぬつげ)

別  名:ニセツゲ/ヤマツゲ

     コバモ/ヤドメ 

学  名:Ilex crenata

英  名:Japanese Holly

犬ツゲ,いぬつげ,樹形,画像
イヌツゲの玉散らし仕立ては日本庭園の定番
イヌツゲ,いぬつげ,きんめつげ
新芽は黄緑色で、キンメツゲと見分けにくい
犬柘植,画像
葉は細枝から互い違いに生じるのがツゲ(ホンツゲ)との違い
イヌツゲの木のツボミ
蕾の様子
イヌツゲの花,いぬつげ,雌雄
イヌツゲの雄花
犬つげ 雌花 写真
イヌツゲの雌花 雄しべは退化している
イヌツゲの実
雌花の後には球形の実ができる
犬柘植の実,いぬつげ,黒い実
イヌツゲの実 
黒い実の木
直径は7ミリほど 食用にはならないが動物は食べる
生垣,いぬつげ,Japanese holly
イヌツゲの垣根
イヌツゲ,いぬつげ,トピアリー
葉が細かくトピアリーにも使える(皇居東御苑)
剪定まえ
放任するとこんな感じに伸びて・・・
いぬつげ,樹形
こんな感じの樹形になる
犬つげの木
イヌツゲの樹皮の様子
犬柘植,いぬつげ,幹
成長が遅く、大木ではカビやコケが多い
材質,木材
材がツゲよりも劣るため「犬ツゲ」という

【イヌツゲとは】

・日本全国に分布するモチノキ科の常緑低木で、本州以南の山野に多い。光沢のある濃緑の葉が上品な雰囲気を持ち、芽を出す力も強いため、垣根や盆栽などとして日本庭園で多用される。

 

・印鑑、櫛、将棋の駒の材料となるツゲ科のツゲ(=ホンツゲ)と似ているため混同されがちだが、ツゲよりも材が劣るため「下等」という意味の「イヌ」が冠されている。ただし、庭木としての利用はイヌツゲが圧倒的に多い。

 

・葉は楕円形で質はやや厚く、枝から互い違いに生じる。長さ1~3センチ、幅0.6~2センチで葉先はわずかに突出し、縁には細かなギザギザがある。両面ともに無毛だが、裏面には腺点と呼ばれる小さなツブツブがある。

 

・開花は5~7月で、その年に伸びた枝にクリーム色をした直径3ミリほどの花を咲かせる。雌雄異株で花には雄雌があるが、雄花はまとまって咲くため、雌花よりも目立つ。雌雄とも花弁、萼片、雄しべが各4個ずつあるが、雌花の雄しべは退化している。

 

・雌花の後には直径7ミリほどの球形の果実ができ、10~11月になると黒紫色に熟す。赤い果実が多いモチノキ科の中では珍しいが、赤い果実がなるアカミイヌツゲや、黄色い実がなるキミノイヌツゲもある。汁気の多い果実の中には灰白あるいは淡い褐色の種子が2~4粒入っており、これを蒔けば比較的容易に増やすことができる。

 

・主になる幹は真っすぐに伸び、直径は最大で60センチ位になる。樹高は3~5m程度のものが多いが、稀に10mを超す大木もある。樹皮はやや紫を帯びた灰白色で滑らかだが、樹齢を重ねると皮目が明瞭になる。

 

【イヌツゲの育て方のポイント】

・耐寒性が高く、日本全国に植栽できる。また、大気汚染や潮風に強いため、多少環境の悪いところでも育てられる。 

 

・本来は日当たりがよく、腐植質に富む火山灰土のある場所を好むが、適応力が高く、日陰や痩せ地でも育てることができる。ただし、日陰では枝か間延びしたり、下枝が枯れ上がることがある。乾燥や湿気には強いが、夏の厳しい西日には弱い。

 

・枝が柔軟であることや刈込に強いことから、垣根やトピアリーに適している。ただし、成長は遅いため、弱めの剪定を繰り返すのがよい。また、厳冬期と酷暑期に剪定すると樹勢が弱る。

 

・葉が小さいため刈り込み後の掃除は面倒であり、下に花壇などがある場合は相当に手間がかかる。

 

・病害虫に強いが、枝枯病あるいは乾燥によって枝が部分的に枯れ込むことや、ハマキムシの食害によって葉が見苦しくなることがある。

【ツゲとイヌツゲの違い】 

 葉の色で見れば、一般にイヌツゲは濃緑、ツゲは黄緑色と言ってもよさそうだが、葉の色合いは個体差があるため、あまり参考にならない。それよりも葉の出方が確実に異なる。イヌツゲ(左)は葉が互い違いに生える「互生」で、ツゲ(右)は葉が同じところから対になって生える「対生」となっている。また、イヌツゲは葉の縁に細かなギザギザがあるが、ツゲにはそれがない。

イヌツゲとツゲ
イヌツゲ(左)とツゲ(右)
ツゲの違い
イヌツゲ(奥)とツゲ(手前)

【イヌツゲの品種】

 葉が大きいオオバイヌツゲ、葉が小さいコバノイヌツゲ、葉が丸くて反り返るマメツゲ、新芽の黄色が際立つキンメツゲ、葉に模様が入る斑入りイヌツゲ、枝が箒状に伸びるホウキイヌツゲ(スカイペンシル)、背が高くならず枝が横へ伸びるハイイヌツゲ等が古くから知られる。

 

 最近では葉の緑色が濃いヒレリーという品種や、年間を通じて黄色い葉を持つゴールデンジェム、枝にうねりがある雲竜ツゲ(スパイラルドラゴン)といった品種に人気がある。

 

 特にゴールデンジェムは背丈も大きくならないため一般家庭での利用に適する。その他、ツクシイヌツゲ、シマイヌツゲ、キッコウツゲといった多数の品種がある。

 

【キンメツゲとイヌツゲの見分け方】

 キンメツゲはイヌツゲよりも葉が細かく、小枝が多いため、密度の高い垣根を作ることができる。また名前のとおり新芽の黄色がイヌツゲよりも際立っている。(イヌツゲも新芽は黄色い)

大葉いぬつげ
オオバイヌツゲ
豆つげ 画像
マメツゲ
いぬつげ,生垣,画像
キンメイヌツゲ
いぬつげ
斑入りイヌツゲ
スカイペンシル,箒犬つげ,写真
ホウキイヌツゲはスカイペンシルと名乗って人気を稼ぐ
ウンリュウツゲ,いぬつげ
雲竜ツゲ(スパイルドラゴン)はロックガーデンや多肉との混植に
這い犬つげ 種類
ハイイヌツゲ
いぬつげ,種類
ハチジョウイヌツゲ(伊豆大島の固有種)

イヌツゲの基本データ 

 

【分類】 モチノキ科/モチノキ属

     常緑広葉/小高木

【成長】 遅い

【移植】 簡単

【高さ】 2m~15m

【用途】 垣根/公園/トピアリー

【値段】 800円~

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コメント: 10
  • #1

    j-m (日曜日, 21 1月 2018 19:09)

    我が家には貴婦人というイヌツゲがあります。とても優雅な名前で黄色の斑入りが気に入っています。貴婦人の最終樹高はどれくらいになりますか?
    短く刈り込んでも良いでしょうか?

  • #2

    uekipedia管理人 (日曜日, 21 1月 2018 19:36)

    苗木を購入して植えたのでしたら、背丈を超すまでに二十年くらいはかかると思います(環境や管理によりますが)。それよりも、今、この寒い時期に短く切るべきではありません。もう少し暖かくなるまで待ちましょう。真夏を除く温暖期でしたら好きなように切り詰めても大丈夫です。どうしても今、刈り込みたいのでしたら、気になる部分だけ、2,3センチくらいのカットに留めた方がよいと思います。

  • #3

    j-m (日曜日, 21 1月 2018 20:12)

    背丈を超すまでに20年もかかるとは、イヌツゲは成長の遅い木なんですね。好きな高さで刈り込んで良いとの事ですので安心しました。有り難うございました。

  • #4

    イヌツゲ? (土曜日, 02 2月 2019 17:55)

    今の時期濃い緑色なので、イヌツゲかなと思います。
    垣根にしていますが、所々葉が生えなくて穴が開いた状況になっております。開きを無くすのにはどうすればよろしいですか?

  • #5

    管理人 (土曜日, 02 2月 2019 18:03)

    新しい株(苗木)を買ってきて、既存の株の間に植え、かつ、周りの枝を「シュロ縄」や盆栽用の銅線で誘引するというのが一般的だと思いますが、いづれも穴が目立たなくなるには相当な時間がかかります(穴の大きさによりますが5年とか・・・)。私だったら、面倒ですが、古いのを数株掘り起こし、隙間がなくなるよう整列させなおし、四角く剪定してまとめます。

  • #6

    とらちち (火曜日, 12 3月 2019 18:12)

    久ぶりに実家の家の草木をきれいにしようと庭を見渡していたら、今までは手入れしなくても元気だったツゲの木が、主枝の部分も穴が開き、中がぐずぐずになってしまっていました。それでもその先の葉はまだ青く茂っています。虫のせいでしょうか?剪定は1年前に行いましたが、その後放置していました。ご助言をお願いします。

  • #7

    管理人 (水曜日, 13 3月 2019 18:59)

    キクイムシか枝枯れ病でしょう。従来は病害虫が少ないとされていましたが、温暖化の影響か、イヌツゲも被害が増えているようです。薬剤での対処療法はできますので、思い入れのある木なら、専門家に見せた方がよいかもしれません。上述のように成長が遅いので、鑑賞に耐えるような樹姿に戻すには時間がかかります。

  • #8

    ヘルプ (土曜日, 18 7月 2020 20:10)

    はじめまして。
    垣根として約10mのイヌツゲがあります。冬以外、何度もハマキムシの被害にあいます。症状が現れる度に、ベニカファインやオルトラン水和剤、カルホス乳剤で消毒していますが、一方に被害が減りません。
    予防なども含め、何かできることはありますでしょうか?
    アドバイスをお願い致します。

  • #9

    管理人 (日曜日, 19 7月 2020 11:22)

    私も同様のことに悩まされることが多いですが、この時季になってしまうとイタチごっこするしかありません。
    本来は冬季に対策をするのが一番だと思います。石灰硫黄合剤、マシン油乳化剤で調べてみてください。ただし、庭石や池、ブロック塀などが近くにある場合、それらを保護してから使わないと悲惨なことになります。

  • #10

    ヘルプ (日曜日, 19 7月 2020 13:03)

    早速のご返答、アドバイスありがとうございます。
    やはり石灰硫黄合剤やマシン油乳化剤は効き目があるのですね。調べている中ででてきましたが、扱いづらさや強い異臭とあり断念していました。その領域に踏み込むときがきたのかもしれません(笑)
    ご親切なアドバイスをありがとうございました!