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アオキ(青木)
Japanese Aucuba








【アオキとは】
・関東以西の山地や林内に広く分布するミズキ科の常緑低木。地味な存在ながら、もっとも日陰に強い庭木として知られ、家の北側など条件の悪い場所に使われることが多い。庭木としての使い勝手がよいため現在では自然のものより、人間に管理されている数の方が多いほど。
・若い枝が緑色であるためアオキと呼ばれる(緑色の信号を青信号というようなもの)という説と、一年中、緑色の葉をつけているためアオキと呼ばれるという説がある。枝は成長につれてコルク状の褐色となり、箸に使うこともあった。
・花の少ない初冬に写真のような赤い実をつけるため、江戸の昔から盛んに栽培された。ただし、雌雄異株で雄木には実がならず、雄木は植木職人の間では「バカ」と呼ばれる。実は直径2センチ程度と大きく、地域によって11月~4月頃まで枝に残るが、ヒヨドリなどが好んで食べる。白や黄色の実がなる品種もある。
・4月から5月にかけて直径1センチ程度の花を咲かせる。花には雌雄があるが花弁は共に4枚で紫色。雄花には黄色い「葯」があり、雌花は雄しべが退化し中央部が緑色に見えるのが特徴。
・一年中濃緑の葉が魅力だが、原種は和風のイメージが強いため、洋風住宅にはイエローデライト、サルフレア(マルギナータ)、ダルマ、コロトニフロリアなどの、葉に模様が入る「斑入り」の園芸品種が好まれる。
【育て方のポイント】
・アオキは日陰のみならず、病害虫、潮風、大気汚染にも強く丈夫な性質を持つ。しかし、他の庭木同様、風通しが悪い場合はカイガラムシやアブラムシが発生するため、できるだけ風通しの良い場所に植えたい。また、稀にアオキミタマバエが実に寄生し、実の形がいびつになることがある。
・成長は早いが、枝葉が鬱蒼とすることはなく、手入れの手間はあまりかからない。しかし、放置し続ければ意外に大きく育ち、葉の緑が濃いだけに圧迫感が出てくるため、定期的に枝抜きをするのが無難。大きくなり過ぎたものを根元で切り除き、背丈の低いものを残すという方法もある。
・日差しが強すぎると生育が悪く、葉の色が冴えず、焼けたようになるため、直射日光や西日が強く当たる場所は避けたい。乾燥にも弱いため植穴には事前に腐葉土を施すなどして保水力のある土壌にするのがよい。
・繁殖は実生や挿し木による。
【アオキの品種】
・園芸品種では前述の葉に模様が入るもの(散り斑、覆輪、中斑など)や葉の形が異なるもの(ホソバ、亀甲葉など)がある。
・天然の品種以では日本海側の多雪地帯に自生するヒメアオキ(姫青木)が知られる。雪の中に耐えて育つアオキで、高さは1m程度にしかならない。限られた日差しに対応するため、葉や実もアオキより小さい。




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アオキの基本データ
【分類】 ミズキ科/アオキ属
常緑広葉/低木
【学名】 Aucuba japonica
【別名】 アオキバ(青木葉)/ダルマ
【成長】 やや早い
【移植】 簡単
【高さ】 1m~3m
【用途】 下草/垣根
【値段】 1000円~
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kami (水曜日, 08 11月 2017 10:35)
教えてください、実がなるのは雌木のようですが、雄木の挿し木から雌木は出来ますか?雌木からでないと駄目ですか?
管理人 (木曜日, 23 11月 2017 17:12)
「挿し木」はクローンみたいなものですから、雌雄に変化はありません。残念ながら雌木を挿さなければ実はなりません。
河本晴夫 (火曜日, 10 4月 2018 10:32)
葉に斑点があり、緑の実が赤くなって雪が降るとひよどりが食べにくる。木の名前が判明しました。
管理人 (火曜日, 10 4月 2018 19:46)
お役に立てて光栄です。今後もよろしくお願いします。
may (木曜日, 10 1月 2019 10:17)
雌木だけ植えて花が咲きますか?
管理人 (木曜日, 10 1月 2019 19:02)
mayさん、コメントありがとうございます。花は咲きますし、相当な確率で実もなるでしょう。お住いの地域にもよりますが、アオキは都会でも田舎でもそこらじゅうにありますし、多くの昆虫が花粉をつけて雌雄の株を行き来するはずです。