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クロモジ/くろもじ/黒文字

Spicebush

クロモジの木の花
早春を代表する雑木の一つ
クロモジの蕾
蕾は独特の形になる
クロモジの木,特徴
葉と花を同時に展開させながら、着実に春に近づく
クロモジの花,開花時期
花弁は薄く、半透明になる
くろもじ,植木
花が終わる前に新葉が展開する
黒文字,樹木,特徴
葉はお茶にして香りを楽しむことができる(新葉の様子)
葉っぱ,裏側
裏面の様子
Spicebush,leaf,picture
葉の付け根は赤味を帯びる
クロモジの実,時期
9月頃からできる実は油分が多い
クロモジの黄葉,紅葉
実が熟すとともに黄葉し始める
黒文字,紅葉
暗い場所でも綺麗に黄葉しやすい
クロモジ,紅葉,黄葉
藪の中に光を放つように黄葉するが期間は短い
くろもじの木,芽
紅葉の頃にはすでに翌春の芽が姿を見せる
黒文字という木,樹皮,特徴
若い木の樹皮は緑色だが、樹齢を重ねると灰色になる

【クロモジとは】

・関東地方以西の本州、四国及び九州の雑木林に見られるクスノキの仲間。ダークグリーンの樹皮にできる黒い斑点を文字に見立てて「黒文字」と名付けられた(諸説あり)。日本のほか中国にも分布する。

 

・樹皮には柑橘系に似た特有の香りがあり、樹皮を残したクロモジの材で作られた爪楊枝は高級品として和菓子などに使われる。また材が白くて美しく、緻密かつ均質で加工しやすいことから細工物などにも使われる。

 

・葉は細長い楕円形で、多くの場合、先端が尖る。長さ5~10センチ、幅2~5センチほどで、枝から互い違いに生じる。成葉の表面は濃緑色で毛もないため、触れるとツルツルしている。

 

・あまり目立たないものの、3~4月になると黄色い花を咲かせる。花びらは半透明でその繊細さが美しく、生け花の花材にも使われる。雌雄異株で花には雄花と雌花がある。

 

・10月ころに画像のような黒い実ができる。外見もピカピカであるが果肉にも脂分が多い。果実や枝葉から採取される「クロモジ油」には抗菌や鎮静に効果があるリナロールが含まれ、化粧品や香料に使われる。

 

・枝や根を煎じたものは「鳥樟脳」あるいは「釣楠」という生薬となり、薬用酒などに使われる。

 

・独特の味わいがある枝を束ねて作った垣根や袖垣は「クロモジ垣」と呼ばれ、日本庭園好きの間では人気が高い。見た目だけではなく上述の油分があることから耐久性も高い。

 

・本来は庭に用いるような樹木ではなかったが、あまり大きくならないこと(直径は最大で10センチほど)や、日陰でも育つこと、そして雑木人気の高まりとともに普及してきた。

 

【クロモジの育て方】

・自然環境では明るい雑木林に見られることが多く、腐葉土があるようなやや湿った土地を好む。ただし、環境適応力はあり、それほど土質は選ばない。

 

・枝数が多く芽を出す力も強いため、ついつい刈り込みたくなるが、自然樹形を鑑賞する樹木であり、人工的な剪定は似合わない。

 

・沖縄や九州を中心に分布する同属のアオモジと比べれば寒さに強い。また、クスノキ科の特徴として病害虫はつきにくい。

 

【クロモジの品種】

・オオバクロモジ

 北海道南西部及び東北地方に分布する、葉の大きい品種。現地では単にクロモジと呼ぶ。

おおばくろもじ
オオバクロモジ

 

【クロモジに似ている木】

シロモジ

 

 似たような雰囲気を持つが、シロモジの葉は三つに裂けるので、まったく異なる。また、クロモジは花の後に若葉が展開するのに対して、シロモジは花と同時に若葉が開く。ちなみにクロモジ同様、爪楊枝に使われるダンコウバイは、シロモジと似た葉を持つ。また、カナクギノキはこれらと似たような花を咲かせる。

シロモジとの違い
クロモジの葉
クロモジとシロモジの見分け
シロモジの葉

クロモジの基本データ

 

【分類】クスノキ科クロモジ属 

    落葉広葉 低木

【学名】Lindera umbellata

【別名】オオバクロモジ/クロキ

【成長】早い

【移植】普通

【高さ】2m~6m

【用途】雑木の庭

【値段】1000円~