庭木図鑑 植木ペディア ホーム > クマノミズキ
クマノミズキ/くまのみずき/熊野水木
Large leaf dogwood
【クマノミズキとは】
・本州から九州までの山野で普通に見られるミズキ科の落葉高木。熊野(三重県)に自生するミズキという意味で命名されたが、実際の分布は広く、日本以外でもアジアの東南部に分布する。
・葉は長さは10~15センチほどで縁のギザギザはほとんどない。幹や枝葉の様子はミズキによく似ており、遠めに見ると区別が難しいが、ミズキは枝から互い違いに葉が生じるのに対し、本種は対になって生じる。庭木として広く普及するハナミズキやヤマボウシは同じミズキ科だが、それらに比べれば葉は遥かに大きく、花の様子はまったく異なる。
・花期は6~7月で雄しべが目立つ小さな四弁花が棚状に集まって咲く。近付いてみると芳香があるものの、概して高い位置に開花するため、香りを楽しむのはやや難しい。虫がよく集まり、蜂の蜜源となる。
・花が終わると直径5ミリほどの球形の実ができ、10~11月頃に黒紫色に熟す。
・幹の直径は最大で40センチほど。材はミズキよりも硬く、薪炭としてはより適する。稀に建築、彫刻、櫛などに利用される。
【育て方のポイント】
・煙害に強く都市部の街路や公園に植えることができるが、寒さには弱く、東北地方の北部や北海道では管理が難しい。
・肥沃な土を好むが、あまりこだわらずに育つ。
・大木となるため植栽には広いスペースが必要。
・剪定に耐えるが、刈り込んで仕上げるような木ではない。
【クマノミズキとミズキの違い】
・英名を見る限り、葉の大きさで見分けられそうだが、実際は個体差があって難しい。もっとも簡単な見分け方は、葉の出方で、クマノミズキの葉は一箇所から左右に葉が生じる「対生」であるのに対し、ミズキは互い違いに生じる「互生」となる。
・クマノミズキの開花は、ミズキより1か月ほど遅い。
・クマノミズキの実はミズキよりやや小さい。
・枝の断面の形が異なる。(ミズキは真ん丸、クマノミズキは崩れた円形)
・クマノミズキの小枝は茶褐色だが、ミズキは赤色。
|
クマノミズキの基本データ
【分類】ミズキ科 ミズキ属
落葉広葉 高木
【学名】Cornus brachypoda
【別名】─
【成長】早い
【移植】やや難しい
【高さ】5m~15m
【用途】公園/雑木の庭
【値段】5000円~