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キンシバイ/きんしばい/金糸梅

Tall St.John's wort

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キンシバイの花は水辺にもよく合う
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キンシバイの新芽
きんしばい,葉っぱ
成葉の様子
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裏面の様子
つぼみ,ツボミ
キンシバイの蕾
Tall St.John's wort
キンシバイの蕾
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開花は6~7月
キンシバイとヒペリカム
花はビヨウヤナギやヒペリカムより小さい
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公園や店先に数多く植えられている
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花の後には実ができ・・・
冬のキンシバイ
10月頃には黒褐色に熟す
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秋には紅葉する
枯れる,きんしばい
紅葉後は葉がチリチリになる

 

【キンシバイとは】

・中国中南部を原産とするオトギリソウの仲間。開花期間が長いことや、枝葉が柔らかで和洋どちらの庭にも違和感がないため、庭木の下草として公園や庭園に植栽されるほか、切り花にも利用される。

 

・日本へ渡来したのは江戸時代中期の宝暦10年(1760年)で、花弁の様子がウメに似ていること、黄色い雄しべが特徴的であることからキンシバイ(金糸梅)と名付けられた。 

 

・キンシバイの開花は梅雨時から盛夏にかけてだが、狂い咲きも多い。花は直径3~5センチで、枝先に2~3輪ずつ咲く。5枚ある花弁は厚手で光沢があり、巴形に重なり合って生じ、ビヨウヤナギのようには全開しない。

 

・雌雄同株で、花柱(雌しべ)の先端は5つに分かれ 雄しべは60本ほどが一束となり、計5束も生じる。雄しべはビヨウヤナギより数が少なく、長さも短いため花弁の内側にとどまる。

 

・花の後には直径1センチほどの乾いた果実ができる。10月頃、褐色に熟すと自然に五つに裂け、小さな粒状の種子が拡散される。日本に本来の自生はないが、種子によって拡散したものが、民家近くの岩場や崖地で野生化している例がある。

 

・葉は長さ2~5センチ、幅2~3センチほどの楕円形。葉柄はなく、枝から対になって生じる。葉質は薄く、表面は明るい黄緑色で、裏面は白っぽい。

 

・キンシバイには主だった幹がなく、細い幹(枝)が株立ち状に乱立する。若い枝は赤紫を帯び、アーチ状に歪曲して垂れ下がるように伸び、枝別れが多いため葉が密生する。環境が良ければ秋に紅葉し、寒冷地では落葉する。

 

【キンシバイの育て方のポイント】

・植栽の適地は東北地方以南。寒さにやや弱く、寒冷地では落葉する。

 

・原産地では岩場に見られ、土質を選ばずに育つが、粘土質かつ肥沃な土地であればなおよい。

 

・日当たりを好むが夏の強い西日は苦手。午後の日差しが少ない場所がよい。

 

・枝先の垂れる自然樹形に育てようとすると意外に大きな株になる。一般家庭では数年に一度、根元から切り取って更新するのがベター。芽を出す力は強く、剪定によく耐えるが、枝の途中で刈り込むような剪定は好まない。剪定の適期は花の直後。

 

【キンシバイに似た花木

ビヨウヤナギとキンシバイの違い

 両者はとてもよく似ているが、ビヨウヤナギの方が葉も花も大きい。また雄しべの数もビヨウヤナギの方が圧倒的に多く、長さも花弁から飛び出すほどあるため、見分けがつきやすい。花弁の形もビヨウヤナギは歪な楕円形だが、キンイシバイは円形に近い。

 

【キンシバイの品種】 

 キンシバイは古くから親しまれる花木だが、現在ではヨーロッパから導入された、より花の美しい品種(ヒペリカム)の人気が高く、いくつかの品種がある。

 

・ヒペリカムヒドコート(ハイドコートともいう)

 枝葉の様子はキンシバイに似るが、花はより大きく人気が高い。

 

・ヒペリカムカリシナム(ヒメキンシバイ)

 樹高30~50センチにとどまり、大きな花が咲く。

 

・ヒペリカムモゼリアナムトリカラー(斑入りキンシバイ)

 葉にクリーム色の模様が入る品種。全体に明るい雰囲気を持ち、開花期以外も観賞価値がある。

 

【キンシバイに名前が似ている木】

キンロバイ

キンシバイの基本データ

 

【分類】オトギリソウ科 オトギリソウ属

    半常緑または落葉 低木

【漢字】金糸梅(きんしばい)

【別名】ヒペリカム/ビヨウオトギリ

    クサヤマブキ/ヒドコート

【学名】Hypericum patulum

【英名】Tall St.John's wort

【成長】早い

【移植】簡単

【高さ】0.5~1m

【用途】花木/公園/切り花

【値段】400円~

 

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