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キングサリ/きんぐさり/金鎖
Golden chain tree
【キングサリとは】
・ヨーロッパ中南部を原産とするマメ科の落葉樹。日本に渡来したのは明治初期で、初夏に咲く鮮やかな黄色い花を観賞するため、庭木として栽培される。
・花の様子が鎖を垂れたようになるため、英語名をゴールデンチェーンといい、それを直訳してキングサリとなった。同じ時季に薄紫の花を咲かせるフジとの対比から、キバナフジという別名がある。
・キングサリの開花は5~6月で、小さな蝶のような形をした長さ2~3センチの花が、20~30センチの円柱状の花序に咲き誇る。
・花の後にできる果実は柔らかな毛で覆われた線形のマメで、長さは3~8センチほど。中に含まれる種子には毒性の強いアルカロイド物質が含まれる。中国名はなんと「毒豆」!
・葉は長さ3~8センチの小葉が3枚一組になって生じる。楕円形あるいは歪んだ卵形で表面は淡い緑色。縁にギザギザはなく、裏面や柄、花の軸、若い枝には細かな毛が見られる。枝は株立ち状に生じて
繁茂する。
【キングサリの育て方のポイント】
・耐寒性があり東北地方南部以南であれば育てられるが、風に弱く、強風によって枝が折れることもある。また、枝張りのわりに幹が細く、不安定な状態になりやすいため、植え付けの際には支柱を添えた方がよい。
・夏の暑さには弱い。特に強い西日が当たる場所では枝葉に元気がなくなり、花付きが悪くなるため、半日陰になるような場所に植えるのがが望ましい。
・上記の点に気をつければ、基本的には病気や害虫の被害も少なく丈夫に育つが、植栽後5~6年は樹形を乱すような細枝のでることが多く、主となる幹が分かりづらくなる。幹の途中から生じる枝は早期に剪定して取り除いた方がよい。風通しが悪くなるとアブラムシやカイガラムシの被害に遭うことも。
・若木のうちは枝を真上に伸ばすが、成長が落ち着くと枝が開いて繁茂する。フジのような蔓性ではないが枝が柔らかいため、シュロ縄などで誘引すれば生垣として管理することもできる。
・生長は早いが20年ほどで枯れるため、樹木としては寿命が短く、シンボルツリーとしては心もとない。また、上記のとおり毒性のある種子ができるため、小さな子供やペットのいる家庭にはあまり向いていない。
【キングサリに似ている木】
・キングサリボッシー(フォッシー)
早咲きで花穂が長く、花数も多いという優れた品種。耐寒性がより高く、北海道南部まで植栽可能。
・ラブルナム(アルピヌム)
花は本種よりも小ぶりだが、花と葉の色が濃い。
・エニシダ
地中海沿岸のヨーロッパ及びアフリカ各地を原産とするマメ科の半落葉性低木。キングサリと同じ時季に蝶形の黄色い花を枝にびっしりと咲かせる。
キングサリの基本データ
【分類】マメ科 キングサリ属
落葉広葉 低木~小高木
【漢字】金鎖(きんぐさり)
【別名】キバナフジ/キンレンカ
ゴールデンチェーン
【学名】Laburnum anagyroides
【英名】Golden chain tree
【成長】早い
【移植】困難(移植を好まない)
【高さ】5~8m
【用途】垣根/トレリス/棚
【値段】2000円~