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カマツカ/かまつか/鎌柄
Smooth oriental photinia
【カマツカとは】
・北海道南部、本州、四国及び九州に自生するバラ科の落葉小高木。あまり目立たないが、低山や丘陵地帯で普通に見られる。元来は庭園に使われるものではなく、実用を目的として畑の境界線などに乱雑に植えられていたようなものだが、雑木ブームとともに庭木として使われるようになった。日本のほか、朝鮮半島にも分布する。
・材が緻密で非常に堅く、鎌の柄に使われたことからカマツカと名付けられた。別名の「牛殺し」は、この材で牛の鼻木を作ったためとする説、これを用いて鼻輪用の穴を開けたとする説、牛を追い込むための牛追棒に使ったとする説、枝と枝の間に牛が角を入れると抜けられなくなるためとする説など様々ある。
・葉は卵形で長さは3~9センチほど。先にいくほど幅が広くなり、先端は尖る。縁には細かくて鋭いギザギザがある。長い枝からは互い違いに生じるが、短い枝には束になって生じるのが特徴。
・堅牢な名前とは裏腹に春から夏にかけて、リンゴに似た可憐な花を咲かせる。花は五弁で5~20個ほどがまとまって枝先に咲く。
・秋になると直径1センチ弱の楕円形の赤い実をつける。実は甘酸っぱく、若葉とともに食用となる。
・樹皮は灰色で平滑。樹齢を重ねると横皺が目立つようになる。樹高は最大で4m、幹の直径は20~30センチほどであり、大きな板を取ることはできないが、細くても丈夫であるため、玄能や金槌の柄に重宝される。
【育て方のポイント】
・北海道南部から九州までの広い範囲に植栽できる。
・日向の砂壌土を好む。
・自然樹形を楽しむのが基本だが、写真のとおり複数の幹が拡開して育つため、植栽には広いスペースが必要。剪定は冬期に軽く行う程度にとどめる。
・個体によって葉の形状が微妙に異なる。
・毛虫が発生しやすいため、剪定によって枝葉が繁茂しすぎないようにするのがよい。
【カマツカの品種】
・セイヨウカマツカ、ワタゲカマツカ
【似ている木】
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カマツカの基本データ
【分類】バラ科/カマツカ属
落葉広葉/低木
【学名】Pourthiaea villosa
var.villosa
【別名】ウシコロシ/ウシノハナギ
ウシタタキ/ノミヅカ
【成長】早い
【移植】普通
【高さ】2m~5m
【用途】雑木の庭/公園
【値段】800円~