庭木図鑑 植木ペディア > コムラサキ

コムラサキ/こむらさき/小紫

Komurasaki tree(Japanese beautyberry)

コムラサキとムラサキシキブ,こむらさき
実はムラサキシキブよりも密生し、見応えがある
コムラサキの木,冬芽,こむらさき
新芽の様子(ヘクソカズラが絡みついている)
開花時期,小紫,コムラサキ
花は6~7月に咲く
コムラサキシキブ,特徴
未熟な実の様子
小紫,植物,こむらさき
夏の終わりから色づき始める
コムラサキ,実,画像
成熟した紫色の実は美しい
コムラサキ,ムラサキシキブ,違い
現代的なエクステリアにも十分に使える
コムラサキ,こむらさき,葉っぱ
葉は長さ2~8センチほど 
こむらさきしきぶ,植物,
葉の裏面は緑白色
小紫,庭木,コムラサキ
樹高は最大で1.5mほど
コムラサキ,こむらさき,樹皮
樹齢を重ねると幹はこんな感じに

【コムラサキとは】

・北海道及び青森を除く日本各地の山野に分布するシソ科の落葉低木。自生はやや湿気の多い場所だが、庭木として幅広く植栽される。日本以外では中国や朝鮮半島に分布。

 

・同属のムラサキシキブとともに平安時代の作家、紫式部にちなんで名付けられた。ムラサキシキブは樹高が3mになる「木」という印象だが、本種は樹高が1.5m程度に収まり、いわゆる下草として、より広く親しまれる。一般的には誤って本種をムラサキシキブと呼んでいることが多い。

 

・コムラサキの開花は6~8月で、葉の脇から伸びた花軸に、淡い紅紫の小花が10~20輪が集まって咲く。雌雄同株で花には1本の雌しべと4本の雄しべがあり、それぞれが花先から突き出す。

 

・果実が紫に熟すのは9~11月で、メジロ、ヒヨドリ、キビタキなどの野鳥が集まる。果実は直径は3ミリほどだが多数が密集し、ムラサキシキブよりも華やかになる。より正確に見分けるためのポイントは果軸の出方で、ムラサキシキブの果軸は葉柄と同じ場所から生じるが、コムラサキは少しずれた位置から生じる。

 

・葉は長さ2~8センチの長楕円形で両端が尖り、枝から対になって生じる。表面は濃緑色で裏面は白みを帯びる。葉はムラサキシキブに比べると明らかに小さい。若い枝は赤みを帯びるが古くなると灰褐色、さらには樹齢を重ねると画像のような樹皮になる。

 

【コムラサキの育て方のポイント】

・病害虫に強く、丈夫で育てやすい。

 

・湿気のある土壌を好む。

 

・日陰にも耐えるが、日陰では実成がよくない。

 

・自家受粉で実がなり、単独で植えても、たわわに実る。実生で容易に繁殖できるが、挿し木も可。

 

・枝が奔放に伸び、株立ち状に育つ。樹形を維持するには刈り込みが欠かせない。芽を出す力は強く、刈り込みには耐える。

 

【コムラサキの品種】

シロミノコムラサキ

 シロシキブ(白式部)、シラタマコシキブとも呼ばれるコムラサキの変種であり、花も実も白い。

 

・ウラジロコムラサキ 

 小笠原諸島の父島と兄島に分布する品種。名前のとおり葉の裏面が白っぽくなる。

こむらさき,植物
ウラジロコムラサキ

 

【ムラサキシキブとコムラサキの違い】

・枝

 ムラサキシキブの枝は丈夫で真っすぐに伸びる。コムラサキの枝は柔軟で、下垂することが多い。

 

・樹形

 全体にムラサキシキブは大振りで、コムラサキは小ぶり。ただし、樹形や樹高には個体差があるため、一概には判断できない。

 

・葉

 コムラサキの葉はムラサキシキブに比べて細長い。また、ムラサキシキブは葉の縁に全体にわたってギザギザがあるが、コムラサキは上半分にしかない。

 

・果実 

 上述のとおり、コムラサキの方が密生し、見栄えが良い。果軸の出方も異なる。

コムラサキの基本データ

 

【分類】シソ科/ムラサキシキブ属

    落葉広葉/低木

【漢字】小紫(こむらさき)

【別名】コシキブ(小式部)

    コムラサキシキブ(小紫式部)

【学名】Callicarpa dichotoma 

【英名】Komurasaki tree

    Japanese beautyberry

【成長】やや早い

【移植】普通

【高さ】1~1.5m

【用途】公園/鉢植え

【値段】1500円~ 

 

目次=掲載草木一覧=サイトマップ

 

検索 植木ペディア内を検索します↓