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バクチノキ(博打木)
Cherry laurel





【バクチノキとは】
・樹皮が剥離し幹が顕になる様を、バクチで有り金をすって丸裸になることにたとえ、バクチノキと呼ばれるようになった。元来は庭木として使われることは少なかったが、江戸時代に博徒の信仰の対象となったことなどを契機として、庭に使われるようになった。
・刈り込みに強く、枝葉が密生するため垣根に使われるが、背丈が高くなり過ぎるため、近縁のセイヨウバクチノキの方が人気が高い。
・葉には青酸を含む杏仁水(バクチ水)が含まれ、咳止めや鎮痛剤に使われる。また、樹皮は染料(黄色)の材料となる。
・各地にバクチノキの名木があるが、神奈川県小田原市早川字飛乱地に名木があり、これにちなんで別名「ビランジュ」がある(インドの「毘蘭樹」とバクチノキを混同したという説もある。)
【育て方のポイント】
・半日陰でも生育できるが、基本的には日照を好む。
・湿潤な地を好み、乾燥には弱い。
・寒さに弱いため、北関東以北では地植えできない。
・風通しの悪い場所では、カイガラムシ及びスス病の被害にあう。
【類似種との見分け方】
・葉の形、質感は画像のとおり異なり、あまり似ていない。
・バクチノキの花は9月に、セイヨウバクチノキの花は4月に咲く。
・バクチノキは成長に伴い樹皮が剥げ落ちるが、セイヨウバクチノキの樹皮は剥離しない。
・バクチノキは単幹で育つことが多いが、セイヨウバクチノキは株立ち状に育つことが多い。


バクチノキの基本データ
【分類】バラ科/バクチノキ属
常緑広葉/高木
【学名】Prunus zippeliana Miq.
【別名】ビランジュ/ビラン/ハダカノキ
【成長】やや早い
【移植】やや難しい
【高さ】12m~18m
【用途】垣根/公園