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ゲッケイジュ/げっけいじゅ/月桂樹
Bay laurel
【ゲッケイジュとは】
・地中海沿岸を原産地とする常緑樹で、明治39年にフランスから渡来した。独特の香りを持つ枝葉が香辛料として料理に使われることから、「クッキングハーブ」などとも呼ばれる。果実も月桂油や健胃薬として使われるなど生活に身近な樹木の一つ。
・古代ギリシャでは競技の勝者に月桂樹の葉で作った冠(=月桂冠)を贈る習慣があった。これが今日まで伝わり、現代でも月桂樹は勝利、栄誉を示す記念樹となっている。
・特に昭和時代は学校の校庭に記念樹として植えられるなど人気があったものの、現代ではオリーブにその役を奪われつつある。
・葉は左右互い違いに生じ、革質となる。葉を手にとっても香りはないが、傷付けるとお馴染みの香りがする。
・月桂樹は雌雄異株だが日本には雌木が少ないため、挿し木で増やすことが多い。開花時期は4~5月で、画像のようにモコモコとした黄色い花が咲く。
【ゲッケイジュの育て方のポイント】
・成長がたいへん早く、苗木を植えても5年ほどすれば背丈が3m程度にまでなるため、広い場所あるいは剪定する時間を確保できることが求められる。
・幹と枝が直立し、樹形がまとまりやすいため、広い場所であれば大きく育ててもよいが、刈り込みによって形を整えやすい木でもあり、原産国では幾何学模様に刈り込まれることが多い。ただし、やたらと刈り込むと花や実はならない。
・日陰、塩害、大気汚染に強いが、寒さにはやや弱く、葉が傷みやすい。植栽の適地は関東以西の暖地となる。
・風通しが悪いと病害虫(カイガラムシ、すす病)の被害に遭いやすい。
・個体によってそれほど葉に香りのないものもあるためクッキング用に植栽するなら、購入前に香りを確認しておきたい。
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斑入り葉 月桂樹 「☆」 |
ゲッケイジュの基本データ
【分類】 クスノキ科/ゲッケイジュ属
常緑広葉/高木
【学名】 Laurus nobilis L.
【別名】 ローリエ/ローレル/ベイツリー
【成長】 早い
【移植】 やや難しい
【高さ】 6m~18m
【用途】 シンボルツリー/公園/垣根
【値段】 300円~