庭木図鑑 植木ペディア > クロガネモチ

クロガネモチ/くろがねもち/黒鉄黐

Kurogane-mochi tree (Round leaf holly)

クロガネモチ 庭木図鑑
イチョウが色付く頃に赤い実が熟し始める
くろがねもち,葉っぱ
クロガネモチの新葉
くろがねもちの枝,クロガネモチ
名前はこの若い枝の色に由来する
くろがねもち,雌雄,花
クロガネモチの雌花
くろがねもち,花,画像
クロガネモチの雄花
kuroganemoti
未熟な果実の様子
くろがねもち,kajitu,クロガネモチ
果実は緑→黄色→赤に変わる
Round leaf holly
クロガネモチの果実
赤い実,上野東照宮,くろがねもち
常緑樹だが冬季には葉が落ちて・・・(上野東照宮)
葉が落ちる
枯れたように見えることも
Round leaf holly,picture
クロガネモチは最大20mほどの高さになる(画像中央がクロガネモチ)
黒鉄黐の木,植木,くろがねもち
庭園では剪定されてこんな感じに
クロガネモチ,くろばねもち,幹
樹皮は平滑で特徴に乏しい

【クロガネモチとは】

・「苦労がなく金持ち」に通じるネーミングから縁起木として知られる。モチノキの仲間で、若い枝や葉柄が黒紫色であることや、葉が乾くと鉄色になることからクロガネモチと名付けられた(それぞれの金属の色から、金は黄金、銀は白金、銅は赤金、そして鉄のことを黒金という)。 

 

・冬期に赤い実を付ける庭木としては最大級のもので、花の少ない冬を彩る存在になる。また、この実はヒヨドリ、ツグミ、ムクドリ、ヒレンジャクなどの野鳥が好んで食べ、運が良ければ鳥の糞から庭に勝手に生えることもある。

 

・あまり目立たないが初夏(6月)になると、その年に伸びた葉の付け根に花を咲かせる。 

 

・本州から沖縄まで幅広く分布し、庭木や公園に使われる。九州では自治体の木として指定されていることが多く、街路樹としてさかんに利用される。

 

・モチノキやヤマグルマと同様に、樹皮からは鳥もちや染料を採取できる。また、材は農具の柄に使われる。

 

【クロガネモチの育て方のポイント】

・病害虫、大気汚染に強く、耐煙性、防火性に優れる。

・日向を好むが、半日陰でも育てることができる。

・大きな木でも移植が可能。

・雌雄異株で、実がなるのはメスの木のみ。オスを植えなくても実はなる。 

・芽を出す力が強く、葉がよく茂る。このため、足元が暗くなりやすい。

・常緑樹だが、冬期に寒さと乾燥ですべての葉を落とし「丸坊主」になることがある(暖かくなると復活する。)。寒さに弱いため関東地方が北限か。

・風通しの悪い場所では、アブラムシやカイガラムシ、すす病の被害に遭うことがある。 

 

【クロガネモチの品種】

・斑入りクロガネモチ

 葉に黄色の模様が入る品種で、稀に流通する。

くろがねもち,樹木図鑑
斑入りクロガネモチ

【クロガネモチに似ている木】

・モチノキとクロガネモチの違い

 クロガネモチは葉柄が黒紫色で、モチノキは黄緑色。また、モチノキは最大樹高が10m程度であるのに対して、クロガネモチは20mと、より高くなる。秋にできる実はクロガネモチの方が鮮やかであり、モチノキは、くすんだ朱色で実の数もより少ない。

 かつてモチノキは日本庭園に不可欠であったが、近年はクロガネモチの需要がより多い。

モチノキ 違い 見分け
クロガネモチ
クロガネモチとモチノキ
モチノキ

クロガネモチの基本データ

 

【分類】モチノキ科/モチノキ属

    常緑広葉/高木

【漢字】黒鉄黐(くろがねもち) 

【別名】フクラシバ/フクラモチ

    イモグス

【学名】Ilex rotunda 

【英名】Kurogane-mochi tree

       (Round leaf holly)

【成長】やや遅い

【移植】簡単

【高さ】10m~20m

【用途】シンボルツリー/公園

    垣根/盆栽

【値段】3000円~

 

目次=掲載草木一覧=サイトマップ

 

検索 植木ペディア内を検索します↓