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キンカン/きんかん/金柑
Kumquat(Chinese quince)
【キンカンとは】
・中国南部からマレー半島にかけた地域を原産とするミカン科の常緑樹。古い時代に日本へ渡来し、果樹または観賞用として普及した。数ある果樹の中でも最も背丈が低い上、果樹は皮が薄く、甘味と酸味があって食べやすいため人気が高い。中国南部では正月飾りとして実のなった盆栽が使われる。
・「キンカン」は様々な品種の総称だが、日本では果実が楕円形になるナガキンカン、メイワキンカン、マルキンカン、マメキンカン(キンズ)などが栽培される。かつてはナガキンカンが一般的だったが、果樹としての魅力が乏しいため、現在ではメイワキンカンやマルキンカンが主流となっている。
・メイワキンカンは、遠州灘で遭難した寧波(中国)の商船が清水港に寄港した際にもたらした砂糖漬けの実を起源としている。
・花は画像のような白色で直径は5~8ミリ程度。花期は7月から10月ころだが、四季咲き性が強く、厳冬期と酷暑期を除けば通年開花が見られることも稀ではない。
【キンカンの育て方のポイント】
・日当たりと風通しのよい場所が適地。ただし、西日の強い場所ではいわゆる「葉焼け」を起こしやすい。
・寒さにやや弱く、冬場の気温がマイナス5℃を下回る地方では生育が難しい。
・病害虫には強いが、風通しの悪い場所や水はけの悪い場所ではハダニやカイガラムシの被害に遭うこともある。
・種から育てる「実生」よりも、カラタチを台木として作られた接木苗の方が丈夫な上、より早く収穫できる。
キンカンの基本データ
【分類】ミカン科/ミカン属
常緑広葉/低木
【学名】Fortunella crassifolia
【別名】寧波金柑/メイワキンカン
【成長】普通
【移植】簡単
【高さ】1m~2m
【用途】果樹/鉢植え
【値段】1000円~