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ヒガンバナ(彼岸花)

Red spider lily

ひがんばな
花言葉は「再会」など 彼岸の時期になると突然姿を現す
彼岸花の種類,毒
英名は「蜘蛛の百合」で、シベが長く突き出す様子による
spider lily
奇抜な花だが、蝶たちは構わず蜜を吸いにやってくる
ひがんばな,育て方
球根(鱗茎)で増えるため、まとまって育つ
白い花が咲く彼岸花,珍しい
白い花が咲く彼岸花の雑種もある

【ヒガンバナとは】

・中国の揚子江付近を原産とするヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草。日本には仏教伝来の前後に渡来し、実用目的で民家近くに植えられものが田畑の畔や土手、道端などで野生化したと考えられている。寒さにやや弱く、関西地方により多いが、埼玉県日高市の巾着田曼殊沙華公園や埼玉県幸手市の権現堂桜堤などは名所として知られる。

 

・秋の彼岸になると突然姿を現すことや、球根(鱗茎)に毒があること、墓地に多いこと、そして花の時期に葉がない奇妙な姿から縁起の悪い花とされることが多く、家へ持ち帰ったり、生け花に使うのをタブー視する風潮があったが、欧米で改良された園芸品種の普及などによって観賞価値が見直されている。

 

・「死人花」「毒花」「地獄花」「葬式花」「舌曲がり」など、毒のイメージによる別名や方言名が多く、その数は植物界で最多の1,000以上に上る。よく知られる「曼殊沙華」は仏教において赤い花を表す梵語に由来し、「この花を見る者は自ずから悪行を離れる」とされる。

 

・鱗茎(球根)は鶏の卵くらいの大きさで、アルカロイド等の有毒成分を持つ。ヒガンバナが墓地に多いのは、土葬の時代、動物に墓地を荒らされないようにしたもの(この点は、シキミアセビも同じ)、田畑の畔に多いのもモグラなどの害を防ぐためと考えられている。また、鱗茎から採取できるデンプンは食糧となるため、飢饉に備えて人家の近くに植えていた。

 

・ヒガンバナの開花時期は秋の彼岸前後で、地下にある黒くて丸い鱗茎から伸びた30~70センチほどの花茎の先端に、英語名にある蜘蛛のような形をした鮮烈な赤い花が5~8輪まとまって咲く。見分けのつかない花弁と萼が計6本あり、6本の雄しべと1本の雌しべが突き出る。

 

・花が枯れると初めて葉が現れる。葉は深緑色の線状で艶があり、やや厚めだが触れると柔らかい。冬季も落葉せずに越冬し、翌春(3月~5月頃)に枯れる。花と葉が巡り合わないことから「ハミズハナミズ」という別名がある。

 

・日本のヒガンバナには実がならず、地下にある球根(鱗茎)が分離することで増殖する。このため毎年同じような場所に咲き、人の手が入らないような山間には見られない。

 

・鱗茎の毒性は薬として、咳止め、痰切り、利尿、足のむくみ、水虫やタムシの治療に使われる。また、ヒガンバナから作ったデンプンには虫がつかないため、屏風や襖などの表具細工や友禅の糊付けに使う。 

 

【開花時期】

・9月

 

【花の色】

・深紅

 

【背丈】

・~70cm

 

【似ている花】

・シロバナマンジュシャゲ(白花曼殊沙華)

 同じような形をした白い花を咲かせる多年草だが、ヒガンバナの白花種ではなく、暖地に見られるショウキランとヒガンバナの雑種。