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ヨモギ/よもぎ/蓬

Yomogi(Wormwood)/Mugwort/Moxa

よもぎ,特徴
ヨモギはよく知られた身近な草の一つ
蓬生,植物
ヨモギの新芽
効能
葉は食用及び薬用にする
特徴
モグサに使うのは葉の裏の白い毛
蓬,植物
路傍に群生したヨモギ
花粉症
ヨモギの花
よもぎ,開花時期
白い糸状のものは雌しべの柱頭
艾,蓬生
茎には細かな毛が密生する

【ヨモギとは】

・本州、四国及び九州に分布するキク科の多年草。日本で最も一般的な草の一つであり、山野のみならず、道端や空き地、都会の街中など、日向であれば至るところに生じる。

 

・若葉にはキク科特有の香りがあり、草団子、草餅 天婦羅、ヨモギ茶、ヨモギ酒、ヨモギうどんなどとして広く食用される。また、古くから中国、イヌイットや一部ヨーロッパでは、ヨモギの香りに邪気を払う効果があると俗信され、その影響から雛祭りの草餅、端午の節句(菖蒲湯や軒に吊るす)に使われる。

 

・ヨモギという名の由来には、葉の裏面にある綿毛をモグサとしてお灸に使うこに由来する「よく燃える草」、よく育って四方に広がることを意味する「四方草」「よく萌える草」が転訛したとする説などがある。

 

・日本人にとって身近な草であり、モチグサ、ヨゴミ、ダンゴグサ、ヤイトグサ、フツ、キュウグサなど多くの別名や地方名がある。漢字表記は「艾」が正しいが、日本では「蓬」の字を当てることが多い。 

 

・ヨモギの葉は長さ6~12センチ、幅4~8センチの羽根状で表面は濃い緑色だが、裏面は毛が密生して白く見える。茎から互い違いに生じ、下の方にある葉には柄があって縁の切れ込みが深く、上部の葉は柄がなく、切れ込みが浅い。草餅にするのは綿毛に包まれた早春の新芽で、モグサには夏の葉を天日干しにし、臼でついたものを使う。

 

・葉を日干しして煎じたものは、生薬「艾葉(がいよう)」として、止血、切り傷、滋養強壮、整腸、痔疾及び腰痛の緩和などに用いる。また、生の葉を揉んで擦り傷や切り傷に使うという民間療法もある。

 

・茎は直立し、草丈は1mほどになる。表面には縮れた毛があり、枝分かれした上部は白い綿毛が生える。地上部は晩秋に枯れ落ちるが、やや木質化した丈夫な茎を持つため、暖地ではそのまま越冬することもある。 

 

・開花は夏から秋で、茎の先端や葉の付け根から伸びた花茎に、黄褐色をした筒状の小花が穂状に集まる。キク科には虫媒花が多いが、ヨモギは風媒花であり花は目立たない。近年は同時期に咲くブタクサと共に、秋の花粉症の元凶とされる。

 

・地下茎は横に伸び、根を出しながら繁茂する。ヨモギ餅を雛祭りの御供えにするのは繁殖力の高さ(=子孫繁栄)にあやかったものとする説もあるが、セイタカアワダチソウと同じように地下茎から他の植物の生育を抑制する物質を分泌すること(アレロパシー)で繁茂しているため、人間社会に擬えると角が立つ。

 

【ヨモギの品種】

・オオヨモギ、ヤマヨモギ(ヒロハヤマヨモギ)、オトコヨモギ、ミヤマオトコヨモギ、ハマオトコヨモギ、カワラヨモギ、ヒメヨモギ、イヌヨモギ、シロヨモギ、ワタヨモギ、ヒトツバヨモギ、クソニンジンなど日本には約30種のヨモギがあるという。

川原よもぎ
カワラヨモギ
犬よもぎ
イヌヨモギ
わたよもぎ
ワタヨモギ
お灸,原料
ワタヨモギの葉の裏面

 

【ヨモギに似た植物】

・ハハコグサ

 ヨモギよりも古い時代に草餅に使われていた。

ヨモギの基本データ

 

【分 類】キク科/ヨモギ属

     多年草 

【漢 字】蓬/艾/蓬生(よもぎ)

【別 名】モチグサ(餅草)

     ヨゴミ/ダンゴグサ

     ヤイトグサ/フツ

     キュウグサ/モグサ

     さしも草

【学 名】Artemisia princeps

【英 名】Yomogi(Wormwood)

     Mugwort/Moxa

【開花期】9~10月

【花の色】黄褐色

【草 丈】~120cm

 

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