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タマスダレ/たますだれ/玉簾
White rain lily
【タマスダレとは】
・アルゼンチンやウルグアイなどの南米を原産とするヒガンバナの仲間。日本に渡来したのは明治時代で、花壇の縁取り等として広く園芸に使われる一方、野生化したものが各地の公園や路傍などに分布する。
・タマスダレの開花は8~10月でヒガンバナよりやや早いことが多い。花は花茎の先端に一輪だけ上向きに咲き、花弁(花被片)が6枚ある。花色は純白だが、外側の付け根付近は緑色で、さらにその下にはヒガンバナ同様に淡いピンク色の膜があって彩を添える。
・花は直径5センチほどで中央の雌しべは先端(柱頭)が三つに裂け、雄しべは長いものと短いものがそれぞれ3本ずつある。雄しべの先端にある葯は黄色く、これも本種の見栄えの良さにつながっている。
・花の後にできる果実はのキツネノカミソリと同じような形。中に入っている種子は扁平した楕円球で表面は光沢のある黒色。タマスダレには結実しにくい個体もあるが、地下茎を分割することで、いくらでも増やせる。
・葉は濃緑色の線状で長さは20~30センチほど。南国生まれだが、肉厚な葉には耐寒性はあり、温暖な地域では地上に葉を出した状態で越冬する。葉の様子はニラ、ノビル、アサツキなどに似るが、全草に毒性のあるリコリンというアルカロイド物質を含んでおり、誤食による事故事例が後を絶たない。
・根茎(鱗茎)は小さなタマネギ形。食用になるノビルのそれに似るが、葉よりも毒性が高いため留意する必要がある。
【タマスダレに似た植物】
タマスダレの基本データ
【分 類】ヒガンバナ科
タマスダレ属(サフランモドキ属)
多年草(球根)
【漢 字】玉簾(たますだれ)
【別 名】ゼフィランサス
ホワイトレインリリー
【学 名】Zephyranthes candida
【英 名】White rain lily
【開花期】8~10月
【花の色】白色
【草 丈】~60cm