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シデコブシ(幣辛夷)
star magnolia












【シデコブシとは】
・愛知、岐阜及び三重の限られた地方に分布するコブシやモクレンの仲間。かつては伊勢湾を中心とした里山や丘陵地の湿地に見られたが、開発が進むにつれて自生地が荒らされ、現代では野生種の絶滅が危惧されるほどに。
・庭木としては数多く出回っており、盆栽にも使われる。コブシと同じ時期に写真のような花を咲かせる。花びらが注連縄などに使われるシデ(四手/紙垂)に似ることからシデコブシと名付けられた。コブシよりも花びらが細長くて数が多いのが特徴。
・通常は花びらが12~18枚ほどある。英名「スターマグノリア」は星形の花が咲くモクレンの仲間という意味合いで、日本語より分かりやすい。
・花には微香があり、色は白が普通だが個体差が見られ、薄紅色のものもある。可憐なわりに控えめであるため、茶庭から洋風庭園まで幅広く使われる。
【育て方のポイント】
・多少湿気がある日向で、肥沃な土地を好む。
・性質はモクレンやコブシと同じだが、背丈が大きくならず維持管理が容易であるため、一般家庭に適している。剪定は根元から出るヒコバエや、木の内部に出てくる徒長枝を元から抜く程度にとどめる。
【類似種、品種】
・ヒメコブシ(ベニコブシ)
花も木がより小さく、花の色が鮮やかであるためシデコブシよりも好まれる。シデコブシをヒメコブシと呼ぶこともあり両者はややこしい関係にある。
シデコブシの基本データ
【分類】モクレン科 モクレン属
落葉広葉 小高木
【学名】Magnolia tomentosa
【別名】ヒメコブシ
【成長】やや遅い
【移植】普通
【高さ】1m~8m
【用途】茶庭/盆栽/洋風庭園
【値段】1000円~20000円程度