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ワタ/わた/綿
Cotton flower

【ワタとは】
・インド、メキシコ及びペルーを原産とするアオイ科の植物。元来は多年草だが、日本では一年で地上部が枯れる一年草として扱われる。種子にある綿毛から繊維を採取するため世界各地で栽培され、日本には平安時代(799年)に渡来した。
・ワタには世界で40以上の品種があり、アジア綿、エジプト綿、陸地綿、海地綿に大別される。作付面積で最も多いのがアメリカで栽培される陸地綿であり、総面積の70%を占める。
・開花は夏から秋で、花の色は黄色、紫、あるいはその中間色が基本。品種や個体によって色には濃淡があり、稀に赤に近い花もある。花は同じアオイ科のフヨウやムクゲと同じように朝方に咲いて夕方に萎む。
・果実は円筒形だが熟すと自然に裂け、白い毛に覆われた卵形の種子が顔を出す。お馴染みの綿毛は種子の表面にある細胞の一部が異様に伸びたもので、その長さは2~4センチになる。
・種実は油を採取して石鹸や食用に、綿毛は紡績原料や脱脂綿のみならず火薬やセルロイドにも使われた。時には国家の命運を左右するほど重要な資源とされた。
・ワタの葉は手のひら状で、3~5つに裂ける。葉には長い柄があり、成長の過程では「托葉」と呼ばれる、葉のような小片が柄にできる。茎は緑色あるいは紅色で、前者を青木、後者を赤木と称する。
・ワタは排水性の良いアルカリ土壌を好み、高温と十分な日照時間を必要とする。また、生育期には相当な水分を必要とするが、開花後は乾燥を必要とする。
【開花時期】
・7月~10月
【背丈】
・1~1.2m