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スダジイ

Suda-jii tree

【スダジイとは】

・食べられるドングリがなる木の代表。椎茸のホダ木になることでも知られる。 

 

・いわゆる「鎮守の森」を形成する代表的な樹種。都市部の「お屋敷」や学校等にも広く植えられており、スダジイが一本あるだけで大きな森があるように見え、アオダイショウなどの住処になっていることもある。 

 

・新緑はライトグリーンで季節を経るに従って葉の緑が濃くなる。葉の裏側は年間を通じて黄色に近く、街路から見上げると木全体が黄色く見えるのが特徴。

 

・できはじめの実(ドングリ)は、全体がスッポリと殻に包まれてドングリは見えない。開花から一年半もの月日を経ると熟し、自然に殻が割れて中からドングリが顔を出す。多くのドングリはアクが強くて生食できないが、スダジイの場合は生でも食べられる。カヤの実のように火で炙ると香味が増して美味しい。

 

・ドングリの形が「シタダミ」という巻貝に似ていることから、シタシイ→シダジイに転化した。

 

【育て方のポイント】

・大木で幹も太くなるため、一般家庭で庭木として維持するには、定期的な手入れが必要。剪定にはある程度耐えるが、剪定を繰り返すと寿命が縮まりやすく、都市部では強い剪定によって衰弱した老木も多い。特に寒さに向かう時期に強剪定を行うと木に対するダメージが著しい。また、経年によって腐朽菌が発生しやすく、幹や枝が朽ちることもあるため落下事故等には気を付けたい。

 

・葉の緑が濃く、幹も暗い色であるため、重厚な雰囲気(=鬱蒼とした感じ)になりがちで、狭い庭には向かない。また、スダジイの下は日陰になるため、他の植物を育てにくい。明るめの雰囲気を持つ斑入り種や黄中斑種もある。 

 

【類似種との見分け方】

・単に「シイ」という場合、ツブラジイ(別名コジイ)を示す。ツブラジイとスダジイの見分け方は以下のとおり。

スダジイの基本データ


【分類】ブナ科/シイ属

     常緑広葉/高木 

【学名】Castanopsis cuspidata

       var.sieboldii 

【別名】シイ/ナガシイ/イタジイ

【成長】やや早い

【移植】簡単

【高さ】10m~25m

【用途】主木/垣根/街路樹 

【値段】1500円~7000円程度