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シイモチ/しいもち/椎黐

Shii-mochi(Ilex buergeri) 

しいもちの木
葉はシイノキに似るがモチノキの仲間

 

【シイモチとは】 

・暖地の山地で稀に見られるモチノキ科の常緑樹で、本州西部及び九州の一部地域に分布する。シイノキなのかモチノキなのかモヤモヤする名前だが、モチノキの仲間であり性質はモチノキに準じる。日本以外では中国の中部に自生。

椎黐の木
枝葉は密生する

 

・シイモチの葉は薄い革質の長楕円形。縁には緩やかなギザギザがあり、先端は尾状に長く尖る。基部はクサビ形で葉柄は4~8ミリほど。枝から互い違いに生じる。

 

・葉は長さ4~8センチ、幅1.5~3センチでモチノキよりも細長く、スダジイなどを小さくしたような感じになるのが名前の由来。枝はやや細くて角張り、若いうちは葉柄や花柄と共に褐色の短毛がある。

シイモチ,樹木
表面は濃緑色でツヤツヤ
しいもち,植物
裏面の様子

 

・シイモチの開花は3~5月。雌雄異株であり、雌株には雌花を、雄株には雄花を咲かせる。花はモチノキと同じ黄緑色の四弁花で、長い雄しべのある雄花は多数密生し、雄しべが退化して柱頭が膨らむ雌花は数輪ずつ葉の脇に生じる。 

 

・雌株では花後に球形の果実ができ、秋になると赤く熟す。果実の直径は5~8ミリほど。

シイモチの木
樹皮の様子

 

【シイモチの育て方のポイント】

・暖地性の木であり、植栽の適地は東北南部以南となる。場所を選べば東北中部でも育てられるが、冬に葉が黄変して見苦しくなる。

 

・日照を好む木であるが、半日陰でも育つため家の北側にも使用できる。乾燥した場所よりは湿気のある場所の方が葉色は良くなる。やや粘土質で保水性と養分のある場所が理想的。

 

・成長が遅く、樹形は乱れにくいが、枝葉が密生するとカイガラムシが発生し、それに起因する病気が起こりやすい。 

シイモチの基本データ

 

【分類】モチノキ科/モチノキ属

    常緑広葉/小高木

【漢字】椎黐(しいもち)

【別名】ヒゼンモチ(肥前黐)

    ハクサンモチ

【学名】Ilex buergeri 

【英名】

【成長】早い

【移植】簡単

【高さ】5~8m

【用途】垣根/公園

【値段】2000円~

 

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