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サイカチ/さいかち/梍
Honey locust
【サイカチとは】
・本州中南部から九州までを原産とするマメ科の落葉樹。自生地は川や沢沿いなどの水辺が多い。日本のほか中国や朝鮮半島にも分布する。
・幹に鋭い棘があることや、大型のマメができることで知られる。棘は枝が変化してできるもので、木の成長に伴って分岐し、長さは15センチにも達する。かつてこのトゲは腫物の膿を出すのに使われ、傷の治りが良いという。
・あまり目立たないが、初夏になるとクリーム色の花を大量に咲かせる。雌雄同株で、花には雌花と雄花、そして両性花があるが、年によって雌雄どちらかに偏りがちな性質を持つ。
・10月頃に成熟するマメは長さ20~30センチにも及ぶ。中には3~6個の種が入っており、利尿や痰を切る漢方薬として使われる。また、この種を含む実にはエゴノキと同じようにサポニンという物質が含まれ、煮汁が洗濯石鹸代わりになるため、かつては民家に植えることがあった。現代ではその名残の大木が残るのみであり、庭木として使うことは少ないものの、オーガニックブームの影響もあって自然に優しい石鹸として見直されている。ただし、種子は誤食すると嘔吐や下痢を引き起こす。
・サイカチという名前は、漢方名「サイカクシ(皀角子)」に由来する古名の「西海子」が転じたものとする説や、滑らかな身体を意味する「サイカチ(細滑)」によるものとする説などがある。
【育て方のポイント】
・湿気のある場所を好むが、土質は問わない。
・大木になることに加え、枝や幹に鋭い棘があることから、原種を街路樹や庭木として用いることは少ない。庭木としては、棘がない園芸品種や葉が黄金色になる品種を使う。
【品種】
・アメリカサイカチ サンバースト
幹に棘がなく、新葉が黄色くなる品種。園芸用としては原種より扱いやすく、見栄えも良い。なお、アメリカサイカチはアメリカ全土に産するが、日本のものと同様に幹や枝にトゲがあり、サンバーストはその変種であるトゲナシアメリカサイカチの一つ。
サイカチの基本データ
【分類】マメ科 サイカチ属
落葉広葉 高木
【学名】Gleditsia japonica
【別名】カワラフジノキ
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】12m~20m
【用途】公園
【値段】5000円~1万円程度