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ヒイラギナンテン/ひいらぎなんてん/柊南天
Mahonia
【ヒイラギナンテンとは】
・メギ科の常緑低木。和風庭園でお馴染みだが、別名「トウナンテン」が示すように原産地は中国(台湾やヒマラヤ周辺)で、日本に渡来したのは1681~1687年(天和・貞享年間)のこと。漢名を十大功労という。
・遠目で見れば葉の雰囲気はナンテンに似ており、葉の縁にヒイラギのようなトゲがあることからヒイラギナンテンと命名された。葉は長さ4~9センチの葉が5~9対ほど集まってできており、枝先で傘状に開く。光沢があって美しいが、触れると痛い。
・早春に小型の黄色い花を房状に咲かせる。6弁の花には芳香があり、光沢のある葉とのコントラストが美しいため生け花にも使われ、出荷用に露地栽培されることも多い。
・初夏から画像のような球形の実をつけ始め、秋にはブルーベリーのように黒紫色に熟し、表面には白い粉を吹く。中に含まれる種子は数少ないが繁殖力が高く、ヒイラギナンテンを外来種として危険視する流れもある。
・ヒイラギナンテンの材には薬用成分「ベルベリン」等が含まれ、これを煎じて飲めば扁桃炎や口内炎に効くとする民間療法がある。幹の断面が黄色いのはこのためで、噛めば苦い味がする。また、幹は古くなるとコルクのような樹皮で覆われる。
【育て方のポイント】
・日陰に強い。日向でも育つが日差しが強すぎると葉の緑色が薄くなるため、むしろ直射日光は避けた方が葉色が美しい。
・刈り込むような手入れは不適切で、キレイに見せるにはある程度、葉の数を減らして空間を作る必要がある。
・株立ち状に複数の幹を生じるのが普通であり、単独で植えても、つくばいや庭石に添えるとそれなりの雰囲気を出すことができる。
・日向に植えて、なおかつ冬の寒さにあたると写真のように紅葉する。
・病害虫に強い。
【似ている木と見分け方】
・9月頃に花を咲かせるのがホソバヒイラギナンテンで、葉は名前のとおりヒイラギナンテンより細い。この他、葉や樹形が大振りなシナヒイラギナンテンや、ヒイラギナンテンによく似た品種で、冬に花を咲かせるマホニア・チャリティー、マホニアコンフューサなどがある。
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【現品】冬咲きヒイラギ南天「☆」 |
ヒイラギナンテンの基本データ
【分類】メギ科 ヒイラギナンテン属
常緑広葉 低木
【学名】Mahonia japonica
【別名】トウナンテン/十大功労
【成長】ふつう
【移植】簡単
【高さ】1m~3m
【用途】和風庭園/寄せ植え/生け花
【値段】400円~