ソヨゴ/そよご/冬青

Longstalk Holly

そよご,ソヨゴ,花言葉
花言葉は「先見の明」だが、観賞価値は果実にある
そよご,ソヨゴ,植木
ソヨゴの新芽
フクラシバ,フクラモチ,葉
出たばかりの新葉は赤味を帯びるが・・・
そよご,芽吹き,ソヨゴ
やがて黄緑色に
そよご,植木,特徴,ソヨゴ
若葉の様子
そよごの木
ソヨゴの成葉は革質になる
そよご,ソヨゴの木
樹高は3~7mほどのものが多い(成田山新勝寺)
開花時期,ソヨゴ
夏には地味な花が咲く(蕾の様子)
そよご,樹木,開花期
ソヨゴの雄花
そよご,Longstalk Holly,flower
雄花は花粉がついた雄しべが目立つ
めばな,メバナ,そよご
ソヨゴの雌花
Longstalk Holly,flower
雌花の雄しべは退化して矢のように
そよごにつく虫,ソヨゴ
花に人は集まらないが、虫は集まる
そよご,ソヨゴの木の実
未熟な果実の様子
ソヨゴの実,そよご,画像
実のなる年とならない年の差が激しく・・・
そよごの木,赤い実,ソヨゴ
稀にこんな豊作に
そよご,庭木,実
黒く熟すと野鳥に食べられるが・・・
そよご,冬青,樹木,ソヨゴ
シワシワになって枝に残るものも
soyogo tree
冬でも青い(緑色)ので漢字表記は「冬青」
ソヨゴ,そよご,株立ち
庭木としては、こうした株立ちの人気が高い
そよご,ソヨゴの木の幹
樹皮の様子

 

【ソヨゴとは】

・関東地方以西の本州、四国及び九州を原産とするモチノキ科の常緑樹。林内や林縁に見られるが、山の尾根など乾燥地した場所に多い。柄の長い葉が風に揺れて音を立てる(=そよぐ)ことから、ソヨゴと命名された。

 

 

・常緑樹の中では雰囲気が明るいため、現代的な住宅の植栽に株立ちを使うことがある。漢字表記の「冬青」は冬の間も葉が青々と美しいことにより、サカキのない寒冷地ではその代用として神事に用いる。日本以外では台湾に分布。

 

 

・元来ソヨゴを庭木として使う例は少なかったが、雑木ブームにつられて市場へ出回ってきた。なお、「冬青」は本来、中国において同じモチノキ科に属するナナミノキを表す。

 

 

・葉や幹の雰囲気は同科のモチノキクロガネモチに似るが、葉の幅はより狭く、周辺が波打つ。長さ4~7センチ、幅3センチ前後で先端が尖り、枝から互い違いに生じる。表面は光沢のある深緑色で裏面は黄緑色。両面とも毛はない。 

 

 

・堅くて丈夫な葉は内部に水分を保持する力が強く、火で葉を炙るとその部分が膨らむ。このため別名をフクラシバ(膨ら柴)という。新葉の画像で垣間見られるが、葉にはタンニンの一種である紅色の色素が含まれており、染料に使われる。

 

 

・ソヨゴの開花は6~7月頃。その年に出た葉の脇から花茎が伸び、小さな目立たない花を咲かせる。 

 

 

・雌雄異株だが雌雄とも白と薄い黄緑色。雄花の柄は長さ1~2センチで3~8輪が集まって咲き、雌花の柄は3~4センチとより長い。雌花は普通、1~2個のみがまばらに咲く。

 

 

・雌花の後には直径5ミリほどの果実ができ、秋(10~11月)になると赤から黒に熟す。花や果実にも長い柄があるが、果実はサクランボのようにぶら下がって可愛らしい。

 

 

・果実の中には直径6ミリほどの種子が3~6粒ずつ入っており、これを蒔けば増やすことができる。食用にはならず、野鳥もほぼやってこない。 

 

 

・幹は最大でも直径30センチほど。淡いクリーム色をしたソヨゴの材は緻密で加工しやすく、ソロバンの珠や工具の柄、床柱などに使われる。

 

 

【ソヨゴの育て方のポイント】

・葉がまばらで常緑樹としては色も明るめ。庭の雰囲気が暗くならないのが人気の秘訣だが、目隠しにはなりにくい。

 

 

・天然のソヨゴには樹高が15m近いものもあるが、庭植えの場合は背丈があまり大きくならず、狭い庭にも適している。

 

 

・成長が遅く手間があまりかからない。むしろ、剪定にやや弱く、下手に手を入れると形が乱れる。枝が角ばったように発生するため、柔らかなイメージを維持するように管理するのは難しい。

 

 

・土質を選ばずに育ち、病害虫にも強いが根が浅く、特に大木になると強風で倒れやすい。植え付け時には支柱を添えた方がよい。

 

 

・日当たりを好むが、強い日差しは苦手であり特に夏の西日を嫌う。こうした場所では葉が黄色っぽくなりやすく、むしろ半日陰地で育てた方が葉色はよくなる。

 

 

・寒さに強いとする説もあるが、関東地方でも環境が悪いと葉が貧弱な様子になる。生育の北限は東北地方南部。

 

 

・赤い実がなるのは雌の木のみ。実を観賞するなら雌の木を買う必要がある。雄の木に比べると値段はやや高め。

 

 

【ソヨゴの品種】

 

・タカネソヨゴ

 長野の山間を自生地とするソヨゴで、地面を這うように育ち、葉の縁にはギザギザがある。

 

 

・キミノソヨゴ 

 画像のように黄色い実がなる品種。園芸用に普及する。

 

黄色い実のソヨゴ 画像
実が黄色い「キミノソヨゴ」

 

 

【ソヨゴに似た木】

 葉の雰囲気は全く異なるが同じモチノキ科の常緑樹には、既述のもの以外に以下のようなものがある。

 

 

タラヨウ

 

 

イヌツゲ

 

 

シナヒイラギ

 

 

アメリカヒイラギ 

 

ソヨゴの基本データ

 

【分類】モチノキ科/モチノキ属

    常緑広葉/低木~小高木

【漢字】冬青(そよご) 

【別名】ソヨギ/ソメギ/フクラモチ

    フクラシバ

【学名】Ilex pedunculosa

【英名】Longstalk Holly

【成長】遅い(暖地では早い)

【移植】簡単

【高さ】3~10m

【用途】シンボルツリー/垣根/公園 

【値段】1000円~

 

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