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シマトネリコ / しまとねりこ / 島十練子
Griffith's ash
【シマトネリコとは】
・熱帯や亜熱帯の山間に自生するモクセイ科の常緑樹。風にそよぐライトグリーンの新葉が爽やかであり、その樹形の様子から「庭で育てる観葉植物」とも称される。冬に葉を落とさない常緑樹の仲間だが、常緑樹特有の陰鬱な雰囲気がなく、シンボルツリーとして人気が高い。
・日本で植栽されるトネリコ類では唯一の常緑樹だが、本来は沖縄、台湾、中国本土南部、フィリピン、インドなど熱帯~亜熱帯の山地に育つ。かつて原産地以外では観葉植物として扱われていたが、温暖化の進行と共に関東地方などでも庭木として広く利用されるようになった。
・南西の島々に育つトネリコの仲間という意味で、シマトネリコと名付けられた。トネリコは本州中部以北に見られるモクセイ科の落葉樹で、その名前は「共練り濃」「戸練り粉」あるいは「戸練り木」が転じたもの。樹皮を煮てニカワ状にしたものに墨を混ぜ、写経などに使ったこと、あるいは潤滑剤として引き戸の敷居に塗布したことに由来する。
・シマトネリコの葉は「奇数羽状複葉」と呼ばれるタイプのもので、先端1枚と2~6対の小葉が集まって大きな羽根状になる。小葉は長さ3~10センチ、幅2~4センチの楕円形で縁にギザギザはない。革質で表面に光沢があり、裏面は淡い黄緑色になる。基本的には年間を通じて緑色の葉を保つが、寒冷地では葉を落とすこともある。
・シマトネリコの開花は5~6月。その年に伸びた枝先や葉の付け根に短毛のある花序ができ、白い小花が円錐状に集まって咲く。花冠(花弁のようなもの)は四つに裂け、それぞれの裂片は2~3ミリの線状になる。小さくて地味な花であり、花を目当てに植えるような木ではないが、初夏の雰囲気を楽しむことはできる。雌雄異株で雌の木には雌花が、雄の木には雄花が咲く。
・雌株に咲く雌花の後には小さな豆のような果実が樹冠いっぱいに稔る。これには長さ2~3ミリの種子が一粒ずつあるが、熟しても自然に裂けることはなく、翼のある果実によって自然に拡散される。種子は発芽しやすく、近所にシマトネリコがあれば意図せず庭に生えてくることがある。
・幹は直立し、直径は最大30センチほど、樹高は20m近くになる。若い木の幹は灰褐色だが、樹齢を重ねるとヤマボウシのように斑模様に剥げ落ちて味わい深いものになる。
・シマトネリコの材には弾力性があって折れにくいため、建材や器具材として使うことができるが、材木としての活用は少ない。樹皮にはエスクリンという蛍光成分を含み、墨に混ぜれば美しい青墨となる。
【シマトネリコの育て方のポイント】
・日向を好み、日陰では枝葉が間延びするなど生育が悪い。潮風、大気汚染、病害虫に強いが、環境によってはカイガラムシやアメリカシロヒトリの被害に遭うこともある。
・思いのほか成長が早く、枝葉が繁茂しやすいため、剪定によって大きさを抑制する必要がある。爽やかな姿を維持するには剪定のセンスが必要。
・シンボルツリーとして単独で用いると、他に植木がなくてもそれなりの景色に仕上がる。しかし、木の姿が南国風で、在来の植木とは馴染みにくいこと、葉の出方が粗くて目隠しになりにくいことを考慮する必要がある。
・寒さに弱いが、関東地方以西であれば露地植えで越冬できる。冬季には葉が茶変したり落葉したりすることもあるが、多くの場合、翌春には芽吹いて元どおりになる。
【シマトネリコの品種】
・葉に白やクリーム色の模様が入る「斑入りシマトネリコ(流通名はラブリーマナなど)」があり人気を博している。
【シマトネリコに似ている木】
・トネリコ
落葉樹でシマトネリコよりも葉が明らかに大きい。かつては稲架木として使われるほど身近な木であった。
・アオダモ
赤い実が美しく、庭木として人気の樹種。小葉は2~3対で、葉の表面に艶がなく、葉の縁に細かなギザギザがある。
・シマトネリコと似たような葉を持つ木は他に、エンジュ、センダン、ニセアカシア、ネグンドカエデなどがあるが、いずれも落葉性であり、シマトネリコの独自性と人気の秘訣がうかがえる。
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シマトネリコの基本データ
【分類】モクセイ科/トネリコ属
常緑(または半常緑)広葉/高木
【漢字】島十練子(しまとねりこ)
【別名】タイワンシオジ
【学名】Fraxinus griffithii
【英名】Griffith's ash
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】5~20m
【用途】シンボルツリー/鉢植え
【値段】1000円~
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