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タヌキマメ/たぬきまめ/狸豆

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たぬきまめ,植物
花や実の様子をタヌキに見立てて命名された
たぬきまめ、狸豆
茎や葉にも褐色の毛がある
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蕾(上)と萼(下)の様子
タヌキマメ,植物図鑑
葉は細長く、マメ科らしさがない
開花時期
タヌキマメの花
たぬきまめ,実
この中に種子(豆果)ができる

【タヌキマメとは】

・本州、四国、九州及び沖縄に分布するマメ科タヌキマメ属の一年草。湿気を好み、湖沼の周辺や湿った草地に多いが、日当たりのよい乾いた場所にも見られる。

 

・タヌキマメという名は、花をタヌキの顔に見たてたこと、あるいは褐色の毛に覆われる実をタヌキあるいはタヌキの陰嚢に見立てたことによる。別名はネコマメ、シバナヤビャクゴウ(紫花野百合)など。日本以外でも中国、マレー半島、フィリピンなどアジアの熱帯に広く分布し、中国名を野百合という。

 

・開花は夏から秋で、青紫色をした長さ1センチほどの蝶形の花が茎の先で密生して花穂を作る。花は昼過ぎから開き、夕暮れには萎む。花冠は上下二つに深く裂け、上部はさらに二つに、下部は三つに裂け、花を覆う萼には褐色の長い毛を生じる。

 

・果実(豆果)は長い楕円形で褐色の毛が密生し、中には十数個の種子を含む。乾いた果実を採取して手で振るとカラカラと音を立てることから、タヌキマメの学名にはギリシャ語でオモチャを意味するCrotalonが含まれる。

 

・全草にピロリジジンアルカロイドやセネシオニンという有毒成分を含んでおり、種子も食用にならない。中国では毒蛇の噛み傷に絞り汁を塗布するなど解毒を目的に薬用するが、誤って口にすると肝臓や腎臓の機能障害などの症状を引き起こす。また、発癌性もあるため家畜やペットの誤飲にも留意する必要がある。

 

・マメ科の植物は羽根状あるいは複数の小葉からなる複葉のものが多いが、本種は全く異なる。長さ4~10センチ、幅3~10ミリの線形で先端が尖り、茎から互い違いに生じるが柄はない。茎は地際から直立し、枝分かれはほとんどない。葉の表面以外に株全体に褐色の長い毛がある。

 

【タヌキマメの開花時期】

・7月~10月

 

【花の色】

・青紫

 

【草丈】

・20~80cm

 

【タヌキマメの品種】

・タヌキマメ属の植物は熱帯~亜熱帯を中心として世界に約350種が分布するが、日本に分布するのは本種のみである。