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モクレン/もくれん/木蓮

Lily Magnolia

紫のモクレン,もくれん,花
モクレンの花言葉は「自然への愛」
モクレンの蕾,もくれん
蕾の様子
シモクレンの花,しもくれん
花の下にある葉のような萼がコブシとの違い
シモクレンの蕾
蕾や花は天に向かって直立する
紫色の花が咲くモクレン
ハクモクレンほどの大木にはならない
紫色の花が咲くモクレンの木
原種は花弁の外も中も紫
Magnolia flower  in Japan
花色は品種や個体によって様々 
しもくれん,樹木
花期はわりと長め
しもくれん,樹木
花の終わりの様子
紫木蓮,樹木
花の後の様子
木蓮の木の葉
モクレンの新葉
木蓮の木の葉っぱ,むらさきのもくれん
モクレンの葉
木蓮の葉っぱ
裏面の様子
紫モクレンの木,むらさき色の木蓮
樹高は最大でも6mほど
木蓮 実
モクレンの葉と実の様子
木蓮 黄葉 紅葉
黄葉の様子
木蓮の木の樹皮
幹の様子

【モクレンとは】

・中国の中部~南東部を原産とするモクレン科の落葉樹。平安時代後期(諸説あり)に薬用目的で渡来し、後に観賞用として寺院などに植栽されるようになった。花には圧倒的な存在感と気品があり、現代でも庭園や公園で普通に見られる。

 

・漢名は「玉蘭」あるいは「辛夷」だが、かつては「木蘭」と表記し、平安時代にはその音読みから、モクラニ(毛久良爾)あるいはモクランと呼んでいた。江戸時代に本種の栽培が広まると、花がハス(蓮)に似るとして、モクレンと呼ばれるようになった。 

 

・日本では白い花が咲くハクモクレンをより多く見かけるが、モクレンとハクモクレンは別物。モクレンは樹高3~6m程度にとどまるが、ハクモクレンは10mを越す大木となり、両者を区別するため本種をあえてシモクレン(紫木蓮)と呼ぶことが多い。なお、ハクモクレンはコブシと混同されやすい。 

 

・開花は3~4月でハクモクレンより半月ほど早く、新葉の展開に先立つか、ほぼ同時。蕾はどれも南側から膨らみ、同じ方向を向いて並ぶ。花は枝先で一輪ずつ上向きに咲き、花弁は日が当たると開くが、多くの場合は花弁が開ききらず、卵が立ち並ぶようになるのが特徴。本種(シモクレン)の花の下には小さな葉があるが、ハクモクレンにはない。

 

・花弁は6枚で長さは10センチほど。その基部には緑色をした小さな3枚の萼があり、多数の雄しべと雌しべがある。花弁の色は外も中も紅紫になるもの、内側だけが白みを帯びるものなど品種や個体によってバリエーションがある。

 

・花の後にできる長楕円形の果実は、袋状の果実の集合体。秋に熟すと自然に裂け、艶のあるオレンジの外種皮に包まれた種子が、白い糸状の柄に垂れ下がる。

 

・葉は長さ8~18センチの卵形で、枝から互い違いに生じる。葉の先端はわずかに突出し、縁にギザギザはない。革質でやや硬く、表面はシワシワ。裏面は葉脈に沿って細かな毛を生じる。

 

・幹は地際近くで分岐し、株立ちの低木状になるのが普通。ハクモクレンのような大木にはならず、放置しても樹形は整いやすい。樹皮は灰白色で滑らか。樹皮と蕾を薬用とし、漢方では乾燥させた蕾(しんい=辛夷)を蓄膿症や鼻炎に用い、中国では花弁を食用する。 

 

・モクレンは18世紀末に欧米へ渡り、マグノリアとして親しまれる。多くの品種が欧米で栽培されるが、園芸品種として特に人気なのは、ハクモクレンとの交配種である「アルバスペルバ」「レネイ」「ニグラ」「プロッツォーニ」など。 

 

【モクレンの育て方のポイント】

・寒さに比較的強く、北海道でも植栽できる。ただし、開花後に降雪があると花弁が茶色くなりやすい。

 

・日当たりを好む「陽樹」であり、日陰では育ちが悪い。

 

・湿気のある肥沃な土地を好むが、あまり土質を選ばない。

 

・株立ち状に育ち、枝分かれも多いが剪定は好まない。強度の剪定は樹勢が衰える原因となる。冬季に不要な枝を付け根から切除する程度にとどめるのがベター。

 

【モクレンの品種】

・トウモクレン(唐木蓮)

 名前のとおり中国を原産とする品種。葉や花がモクレンより小さいため、ヒメモクレンという別名があり、樹高も3mほどにおさまる。モクレンの花弁は内側も紫だが、トウモクレンは花弁の内側が白っぽく、先端が尖っている。

 

・キンジュ(金寿)

 クリーム色の花を咲かせる。

 

・エリザベス

 大きなクリーム色の花を咲かせる。

 

・イエローリバー

 小さめの黄色い花が長く咲く。 

 

・アレキサンドリナ、サラサモクレン

 ハクモクレンとの雑種

木蓮の種類
サラサモクレンはハクモクレンとの雑種
えりざべす
エリザベスは淡い黄色の大きな班が咲く
花が黄色い木蓮
イエローリバーは葉の展開と共に小さな黄色い花を咲かせる

モクレンの基本データ

 

【分類】モクレン科/モクレン属

    落葉広葉/低木~小高木

【漢字】木蓮/木蘭(もくれん)

【別名】シモクレン(紫木蓮)

    モクレンゲ(木蓮華)

【学名】Magnolia quinquepeta

【英名】Magnolia

【成長】普通

【移植】普通(根は粗い)

【高さ】3~6m

【用途】公園/街路樹

    シンボルツリー

【値段】2000円~

 

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