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ツクバネ/つくばね/衝羽根

Tsukubane tree

つくばね,植物,ツクバネ
果実を羽根付きの羽根になぞらえて名付けられた
ハネツキノキ,つくばね,植物
冬芽の様子
つくばねの木,ツクバネ,植物
芽出しの様子
つくばね,木
ツクバネの新葉
Tsukubane tree
成葉の様子
ツクバネ,木
ツクバネの花
ツクバネ,植物
でき始めの果実
羽根つきの木
果実は枝先に一つずつでき 
つくばね,植物
紫がかった黒褐色に熟す
ハネツキノキ,ハネノキ
枝先は垂れ下がり気味になる
つくばね,紅葉
黄葉期の様子
ツクバネ,植物
葉の先端は尾状に伸びる
tsukubane tree
枝の様子
つくばね,ツクバネ,植物
幹は直立し、上部で枝分かれする

【ツクバネとは】

・関東地方以西の本州、四国及び九州の一部(佐賀、長崎、大分)に分布するビャクダン科の落葉低木。山地の針葉樹林内に多く、雑木林にも見られる。秋にできる果実が羽子板で衝く羽根に似ているため、ツクバネと名付けられた。

 

・一見すると自立した木に見えるが半寄生の性質を持ち、モミツガ、カエデ、アセビなどの根に自分の根を絡ませて育つ。ただし、あくまで半寄生性であり、ツクバネ自体も淡緑色の葉で光合成を行っており、宿主に完全に依存しているわけではない。

 

・葉は長さ3~10センチほどの楕円形で先端が尾状に尖る。葉の縁にギザギザはなく、表面と裏面の葉脈上には細かな毛を生じる。葉はコマユミのような雰囲気で、直に枝から対になって生じるように見えるが、短い柄がある。

 

・冬芽は茶色だが、新芽がほころび始める頃には緑と茶色のチェック模様となり、その名残が枝に見られる。新芽や若葉を茹でたものは山菜として食用できる。

 

・ツクバネの開花は5~6月。雌雄異株で、雄木に咲く雄花は直径5ミリほど。雄しべと萼片が4個ずつあり、複数垂れ下がって咲くが、開花後すぐに落下する。雌木に咲く雌花は枝先に一輪のみで、長さ1センチほどの細い葉のような苞が4枚ある。

 

・花は雌雄いづれも緑色かつ花弁がないため地味だが、ほのかな香りがあり、小さなハエの仲間が媒介することによって受粉する。雄木と雌木が隣り合って生じることが多い。

 

・果実は直径1センチ弱の楕円形だが、3センチほどに伸びた苞が羽根状になる。あまり食指の動かない外見だが、カヤと同じような味で、油炒めや塩茹でにして食べることができる。実が堅く熟すのは10~12月で、回転しながら落下する。ちなみに実際に羽根つきに使うのはムクロジの実である。

 

【ツクバネの育て方のポイント】

・日向を好むが、半日陰程度なら耐えられる。半寄生性だが、単独でも自立して育つ。

 

・果実ができるのは雌株のみであり、植栽の際には雌雄の別に気を付ける必要がある。

 

・花は今年伸びた枝に咲くため、早春~初夏には剪定しない方がよい。

 

【ツクバネに名前が似た木】

 ビャクダン科の樹木は熱帯に多く、日本に分布するのは本種のみ。名前の由来が同じような木には以下のようなものがある。

 

ツクバネウツギ

 

ツクバネガシ

 

ヤマボウシ(別名ツクバネ)

 

ロウヤガキ(別名ツクバネガキ)

ツクバネの基本データ

 

【分類】ビャクダン科/ツクバネ属

    落葉広葉/半寄生性低木

【学名】Buckleya lanceolata

【別名】ハネツキノキ/ハゴノキ

    ハネツキノミ/ハネノキ

    コギノキ/コギノコ

【成長】早い

【移植】困難

【高さ】1m~2m

【用途】公園/寺社

【値段】1500円~

 

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