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ネジキ/ねじき/捻木
Nejiki(Japanese pieris)
【ネジキとは】
・岩手県以南の本州、四国及び九州に分布するツツジ科の落葉樹。低山や丘陵の尾根に自生し、樹皮全体に入る縦皺が、成長に伴って螺旋状にねじれることからネジキと命名された。
・アセビ同様に有毒植物であり、本来は庭に使われるような木ではないが、幹が持つ野趣や渋みのある紅葉が好まれ、雑木の庭を中心に使われることがある。
・ネジキの開花は5~6月。前年に出た枝葉の脇から伸びる花茎に、アセビやシャシャンボのような小花を咲かせる。花は一列に並んで下向きに咲き、最盛期には枝全体が白く見える。
・花は長さは1センチほどの壺型で、先端が五つに裂ける。花は下向きだが、その後にできる実は上向きで、9~10月に熟すと自然に裂けて種子を落とす。
・葉は先端の尖った長楕円形で基部はハート形。縁は波打つがギザギザはなく、裏面の葉脈上に白い毛がまばらに生じる。枝葉は特に毒性(アンドロメドトキシン、リオニアトキシン)が強く、家畜の飼料に混ぜるのは禁物。誤食すると嘔吐や痙攣を引き起こす。採取した枝を箸として使うのも危険である。
・樹皮のねじれは生える場所の傾斜や風などの気象状況によって様々であり、右回りにも左回りにもなるが、一般に根元の方がねじれが強い。また、風の少ない平地に育つ個体には、ほとんどねじれのないものもある。
・ねじれのためネジキは材木に不適であり、薪割にも苦労することから「姥の手焼き」などの地方名がある。ただし、材は緻密で見た目も朱塗りのように美しいため、櫛、箸、傘の柄などの細工物に使われ、きめの細かなネジキの木炭は漆器を磨くのに適する。
【ネジキの育て方のポイント】
・日向であれば土質を選ばず丈夫に育つ。また、多少の日陰なら問題なく育てられる。
・芽を出す力は強く、剪定も可能だが、この木が持つ独特の自然樹形を鑑賞するのが基本。株立ち状になるため、不要な幹を地際で切除し、株を更新する。
・花が咲くのは前年に伸びた枝葉の脇であり、秋以降、強めに剪定すると花数が少なくなるか、花が咲かなくなる。
【ネジキに似ている木】
・アセビ
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ネジキの基本データ
【分類】ツツジ科/ネジキ属
落葉広葉/低木~小高木
【漢字】捩木(ねじき)
【別名】カシオシミ/ウバノテヤキ
ヌリバシノキ/アカギ
バアナカシ/カシオズミノキ
【学名】Lyonia ovalifolia
var.slliptica
【英名】Nejiki(Japanese pieris)
【成長】やや早い
【移植】普通
【高さ】2~10m
【用途】雑木の庭
【値段】2000円~