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ニシキギ(錦木)
spindle tree












【ニシキギとは】
・北海道から九州までの広い範囲に分布するニシキギ科の落葉樹で、人家に近い林の中に多い。紅葉の美しさを「錦」に例え、「錦木」と名付けられた。日本庭園の脇役などに使われる。
・ニシキギは古い枝の周囲にコルク質の風変わりな「翼」ができることで知られる。この翼を刃物になぞらえ「カミソリノキ」などの別名がある。京都で刺抜きの妙薬として使われた「速康散(そげ抜き薬)」はこの翼を原料とした。
・ニシキギの葉は楕円形で先端が尖り、縁には細かなギザギザがある。新葉は山菜として食べられる。
・5月から7月にかけて淡い緑の花(写真参照)を咲かせるがあまり目立たない。花には花弁が4枚ある。
・秋にできる実は10月頃に熟すと自然に破裂し、中からオレンジ色の種子が顔を出す。この種子はトリグリセロールという有毒成分を含み、人間が食べると腹痛、嘔吐、下痢などの症状を引き起こすが、野鳥は好んで食べる。
・実は食用にならないが、便秘薬、毛じらみの駆除薬として使われた。毛じらみ駆除に使う場合、この実を黒焼きし、椿油に混ぜて塗るという手の込んだ仕込みが必要。
【育て方のポイント】
・病害虫に強く、丈夫で育てやすい。
・日向の乾燥地を好むが、日陰にも強い。ただし、日陰では紅葉があまり冴えない。
・挿し木、実生で繁殖できる。
・枝が奔放に伸びるため樹形を維持するには刈り込みが欠かせない。芽を出す力は強く、刈り込みにはかなり耐えるが、枝が太い分、切った跡が目立つのが難点。
【ニシキギの品種】
・ニシキギコンパクタ
背丈が大きくならない品種で、樹高は1m以下におさまる。

【ニシキギとコマユミの見分け方】
・同属のコマユミに似るが、コマユミの枝にはニシキギに見られるようなコルク質の翼がないので、容易に見分けられる。コマユミはニシキギの変種であり、小さなマユミではない考えられている。

ニシキギの基本データ
【分類】ニシキギ科 ニシキギ属
落葉広葉 低木
【学名】Euonymus alatus
【別名】ソバノキ/ヤハズニシキギ/カミソリノキ
ホウチョウギ/ノコギリバ/ヤハズノキ
シラミコロシ/シラミノキ
【成長】やや早い
【移植】簡単
【高さ】1m~3m
【用途】公園/紅葉/生け花
【値段】1000円~