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Jujube
ナツメ/なつめ/棗
【ナツメとは】
・ナツメは南ヨーロッパ及び西方アジアを原産とする落葉樹で、中国を経て日本へ渡来した。(サネブトナツメの改良品種であり、自生は存在しないという説もある。)
・中国や朝鮮半島では行事に欠かせない果実となっている。日本にも万葉集に登場するほど古くに渡来し、かつては農家の庭先に植えられることも多かった。
・初夏になると葉の付け根にライトグリーンの小さな花を咲かせる。あまりに小さくて見分けにくいが、画像のとおり一本の木に雌花と雄花が咲く。
・9月~11月ころに熟す果実には種が多く、食べる部分は少ないものの、林檎のような風味があり生食できる。栄養が豊富で、乾燥させたものは漢方で「大棗(たいそう)」と呼ばれ、強壮、利尿、解熱に効果があるとされる。また、ドライフルーツとして菓子や料理の材料に使うことで知られる。
・ナツメという名前は、芽出しの時期が初夏であることから。実際は他の落葉樹と比べて多少遅いかな?という程度に過ぎない。
【育て方のポイント】
・土質を選ばず丈夫に育つ。ただし日向を好む典型的な「陽樹」であり、日陰では収穫も期待できない。
・温暖で乾燥した土地を好むが、寒さにも強く、青森県あたりまでなら植栽できる。
・樹形は整いにくい。棘のある枝が四方八方に広がるため扱いにくい。
・7月に雨が多い地方では収穫が少ない。このため収穫高を上げられる地域は限られる。また、台風や強風で花や実が落ちやすい。
【品種】
・サネブトナツメ(実太棗)
ナツメよりも実の外見は小さくて丸く、味は酸っぱい。核(種子)がナツメより大きいため名付けられた。乾燥させた種子を漢方に使う。

【名前が似ている木】
・しばし混同されるが、ヤシ科のナツメヤシ(写真)とは、まったく関係がない。ちなみにナツメヤシは中東や北アフリカなどの乾燥地において栽培されるヤシで、「デーツ」と呼ばれるその実は、乾燥地で収穫できる貴重な作物となっている。
ナツメ(棗)の基本データ
【分類】クロウメモドキ科/ナツメ属
落葉広葉/小高木
【学名】Ziziphus jujuba
【別名】オオナツメ/タイソウ
【成長】やや早い
【移植】ふつう
【高さ】3m~10m
【用途】果樹/シンボルツリー
【値段】800円~