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トサミズキ/とさみずき/土佐水木
Spike winter hazel
【トサミズキとは】
・主に土佐(高知県)の山地に自生するマンサク科の落葉樹。枝を切ると水気が多いこと、あるいは落葉高木のミズキに葉が似ることから名付けられた。庭木としての歴史は古く、江戸時代には葉に模様の入った斑入り種がもてはやされた。
・開花は3~4月。葉に先立って画像のような一風変わった花を咲かせる。長さ4センチほどの花穂は、直径7ミリ程度の小花が5~10輪ほど集まってできる。花弁と雄しべは5個ずつあり、雄しべの先端の葯は暗い紅色になる。
・花の後にできる果実は熟すと自然に二つに裂け、中から楕円形の黒い種子が顔を出す。
・葉は枝から互い違いに生じ、長さ5~10センチほどの楕円形になる。葉脈が目立ち、縁が波状になることが特徴で、葉の裏や葉柄、若い枝に星状の細毛が密生し、手で触れるとザラザラした感じがする。
・枝が弓なりに屈曲して育つため、雑木の庭や芝庭などで木々の合間に植える野趣に富んだ雰囲気を作ることができる。
【育て方のポイント】
・土質を選ばずに育つが、石灰岩質を好む。
・半日陰でも育てられる。
・病害虫に強い。
・寒さに弱い。
・芽を出す力はあるが、基本的に枝数は少なく、あまり剪定を好まない。
【トサミズキに似ている木】
同じマンサク科トサミズキ属の植物だが、葉も花もトサミズキより小さく、枝も細い。また、トサミズキは花が7~8個単位で垂れ下がるのに対して、ヒュウガミズキは2~3個単位と少ない。なお、トサミズキ属は7種あるが、日本にはトサミズキ、ヒュウガミズキ、コウヤミズキ、キリシマミズキの4種が自生する。
・ブータントサミズキ
花弁が細く、花に芳香がある。
文字どおり花に強い芳香がある品種。原産地は中国で別名をシナミズキというが、園芸用として日本でも普通に出回っている。
トサミズキの基本データ
【分類】マンサク科 トサミズキ属
落葉広葉 低木
【学名】Corylopsis spicata
【別名】シロムラ
【成長】やや早い
【移植】普通
【高さ】2m~4m
【用途】花木/公園/切り花/盆栽
【値段】500円~