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ツリバナ/つりばな/吊り花
Korean spindletree
【ツリバナとは】
・北海道から九州までの各地に分布するニシキギ科の落葉低木。山地や丘陵の林内及び林縁で普通に見られるが、花や果実を観賞するため庭木として茶庭などに使われる。
・ツリバナの開花は5~6月。画像のような黄緑色の花を咲かせる。小さな五弁花であまり美しいとはいえないが、小枝の先端から垂れ下がる様子には話題性があり、これにちなんでツリバナと呼ばれる。
・9月~11月にできる実は球形で直径1センチほど。花同様、枝先にできるが、こちらは朱色でよく目立つ。熟すと五つに割れて赤い種子が顔を出すが、開裂した果皮の先端に踏みとどまる様が面白い。形は違うもののマユミやニシキギに似る。
・果実はホオズキと似たような味だが食用にならず、ヒヨドリなど一部の野鳥以外はこれを採食しない。
・秋の紅葉も美しいが、地方によっては赤くならず黄色に黄葉する。葉が散った後も実が残るため、冬の寂しい庭では珍重される。
・新しい枝は緑色だが、歳月を経るに従って紫がかった茶色となる。
【ツリバナの育て方のポイント】
・元来は庭木に使われるものではなかったが、山間の風情を出すために雑木の庭に使われるようになった。病害虫に強く、土質を選ばず丈夫に育つため、最近ではショッピングモールなどにも植栽されている。
・乾燥地は苦手であり、適度な湿気を好む。直射日光の当たる場所よりも半日陰程度の場所に植えるのがよい。
・剪定もできるが、成長の速度は遅めで芽を出す力が弱い。強度の剪定は避け、不要な枝は冬季に根元から切除する程度にとどめたい。
【ツリバナの品種】
・クロツリバナ
枝の色が濃い品種
・ヒロハノツリバナ
葉の幅が広い品種
・オオツリバナ
北海道、中部以北の本州及び奈良県に分布する近縁種。葉や実がツリバナよりも大きく、果実は少しだけ角ばったようになるが、見分けるの葉難しい。
【ツリバナに似ている木】
・コマユミ
・マユミ
・ニシキギ
・マサキ
・サワダツ
本州、四国及び九州に分布する落葉低木。各地の沢沿いや林縁に見られ、ツリバナ同様、秋には赤い仮種皮に包まれた種をぶら下げる。葉はコマユミに似て、枝が緑色であることからアオジクマユミ(青軸真弓)とも呼ばれる。
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ツリバナの基本データ
【分類】ニシキギ科/ニシキギホ属
落葉広葉/低木
【漢字】吊り花(つりばな)
【別名】ツリバナマユミ
【学名】Euonymus oxyphyllus
【英名】Korean spindletree
【成長】早い
【移植】普通
【高さ】3m~6m
【用途】雑木の庭/公園
【値段】1000円~