フユザンショウ／ふゆざんしょう／冬山椒

Christmas cherry

【フユザンショウとは】

・関東地方以西の本州、四国、九州及び沖縄に分布するミカン科の常緑低木。食卓でお馴染みのサンショウは冬季に葉を落とす落葉樹だが、本種は冬でも葉を落とさないため、フユザンショウと名付けられた。日本以外でも朝鮮半島や台湾などに自生する。

・葉は羽根状で、羽根を構成する小葉は３～５枚。先端の１枚と葉軸からの２～３対で、全体としては長さ９～１４センチほど。小葉は幅の狭い楕円形で長さは４～８センチほど。革質で表面には光沢があり、サンショウとは大きく異なる。

・葉軸にはユズと同じような翼が、葉柄の基部には一対の鋭い刺がある。刺は長さ６～２０ミリでサンショウよりも幅広で平らになる。

・フユザンショウの開花は４～５月頃で、サンショウと同じように小さな黄色い花が咲く。地味な花で花弁はなく、花弁のように見える萼片が８個ある。雌雄異株で雌株には雌花が、雄株には雄花が咲くが、日本には雌株しかないとされる。

・花の後にできる果実は直径５ミリほどの楕円形で、表面には多数の突起が目立つ。１０～１１月になると赤褐色に熟して自然に裂け、黒光りする種子が現れる。種子は長さ４ミリほどの卵形。日本には雌株しかないが、雌株だけでも結実する。

・果実や葉の香りはサンショウより乏しく、家庭での使用にはあまり向かないが、漢方では果実を「蜀椒」と呼んで、成熟した果皮を胃痛に用いる。

【フユザンショウの育て方のポイント】

・暖地性であるため寒さの厳しい場所への植栽は不適。寒冷地では冬季に葉を落とす「半落葉性」となる。

・半日陰でも育つが、確実な開花や結実を望むなら日向に植えた方がよい。

・低木ではあるが放置すれば高さ３ｍほどになり、刺もあるため定期的な剪定が必要。枝は四方に斜上しやすく、樹形はまとめにくい。剪定の適期は花の後がベストだが、丈夫な性質を持っており、いつでも可能。

【フユザンショウに似ている木】

フユザンショウの基本データ

【分類】ミカン科／サンショウ属

　　　　常緑広葉／低木

【漢字】冬山椒（ふゆさんじょう）　　　　　

【別名】フダンザンショウ

【学名】Zanthoxylum armatum DC.

　　　　var. subtrifoliatum

　　　　(Franch.) Kitam.

【英名】Winged prickly ash

【成長】早い

【移植】困難

【高さ】２～３ｍ

【用途】薬用

【価格】１０，０００円～

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