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フユサンゴ/ふゆさんご/冬珊瑚
Christmas cherry
【フユサンゴとは】
・メキシコ南部やブラジルなど南米を原産とする常緑低木で、明治時代の半ばに日本へ渡来した。10月~12月に珊瑚のような赤い実がなることからフユサンゴと名付けられた。
・観賞目的に園芸用として流通するが、鳥の糞によって運ばれたものが各地で野生化している例も多い。ジャガイモやナスの仲間だが木に分類される。
・フユサンゴの葉は長さ5~10センチの長楕円形で枝から互い違いに生じる。質はやや厚くて表面は光沢があり、縁にギザギザはない。枝は分岐して密生し、放任すれば樹高1mほどになる。
・フユサンゴの花期は7月~9月で、ナスに似た白い花が下向きに咲く。花は釣鐘型で先端は深く五つに裂け、中央にある5本の雄しべが花柱(雌しべ)を囲んでいる。
・果実の直径は1センチほどで、8月頃にできはじめ、色は緑→黄色→オレンジ→赤と変化する。長期間にわたって果実を観賞できること、冬に鮮やかな色になることから観賞用に使われる。
【フユサンゴの育て方のポイント】
・木全体に有毒成分(ソラニン)を含み、実を食べると嘔吐、胃炎、下痢を引き起こし、重症の場合は命を落とすこともある。小さな子供やペットがいる家庭では育てない方がよい。
・病害虫には強いが、南米生まれなだけに、寒さにはやや弱く、寒い地方では半落葉性となる。
・公園などでは大木の下にあり、半日蔭程度なら十分に耐える。ただし基本的には日向に植えなければ花や実がなりにくい。
・トウガラシと似たように枝葉が密生し、傘を逆さにしたような樹形になるのが基本。背丈はそれほど高くならないため、剪定の必要はあまりない。
・移植はほぼ不可能。実が落ちることによって勝手に増えていく。
【フユサンゴの品種】
・果実の色や大きさが異なる品種、葉に模様が入る品種(「バリエガータム」)などがある。
フユサンゴの基本データ
【分類】ナス科 ナス属
常緑広葉 低木
【漢字】冬珊瑚(ふゆさんご)
【別名】タマサンゴ/リュウノタマ
クリスマスチェリー/ビッグボーイ
エルサレム・チェリー
【学名】Solanum pseudocapsicum
【英名】Christmas cherry
【成長】早い
【移植】困難
【高さ】0.5~1.5m
【用途】鉢植え/下草
【価格】380円~