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シャリンバイ/しゃりんばい/車輪梅
Indian hawthorn
【シャリンバイとは】
・中部以西の本州、四国及び九州に分布するバラ科の常緑樹。自生は暖地の海岸近くに多く、日本以外でも東南アジアや東アジアにかけて広い範囲に分布する。潮風や大気汚染に強い性質を利用して街路樹や公園樹として利用される。
・花がウメに似ること、枝葉が車輪状に生じることからシャリンバイ(車輪梅)と命名された。樹皮から作る褐色染料が大島紬に使われることで知られる。
・開花は3~5月頃。直径1~1.5センチほどの白い五弁花が円錐状に集まって枝先に咲き、微香を放つ。20本ある雄しべは花粉を出すと赤くなるため、時季によって花の印象も変わる。
・花の後には球形の果実ができ、秋になると黒紫色に熟す。直径1センチほどで表面に白い粉を吹き、その様子はブルーベリーに似るが食用にはならない。果実の中には、こげ茶色の種子が一つ入っている。
・葉は長さ4~8センチ、幅2センチほどの細長い楕円形で分厚く、表面には光沢がある。シャリンバイという名前のとおり葉が枝から車輪状に(輪生のように)生じているように見えるが、よく観察すると枝から互い違いに出ている。
・葉の雰囲気はモッコクに似ており、別名をハマモッコクという。葉の大きさや形状によって様々に品種分けがなされているが、そもそも変異や個体差が多く、厳密に区別するのは難しい。
【シャリンバイの育て方のポイント】
・東北地方南部から沖縄まで幅広く植栽できるが、寒冷地では冬季に葉が見苦しくなる。
・日陰、病害虫、痩せ地、潮風に強く、海沿いの緑化にも使用できる。乾燥にも強いが、乾燥が激し過ぎると葉が傷むことがある。
・枝葉が規則的に生じ、樹形は自然に整う。成長も遅めであるため剪定の必要性は低い。
・積極的に花を楽しむ木というよりは、丈夫な性質を見込んで道路沿いの目隠しや植えつぶしに使うことが多い。背丈もあまり大きくならないため、高速道路の中央分離帯など、維持管理に手間がかかる場所に植えられる。
【シャリンバイの品種】
・ベニバナシャリンバイ
ほんのりとピンクがかった花を咲かせる品種。
・マルバシャリンバイ
葉が原種よりも丸く、小枝が密生する。また、樹形は球形で背丈が低い。マルバシャリンバイと区別するために原種をタチシャリンバイ(立車輪梅)と呼ぶこともある。
・ホソバシャリンバイ
文字どおり、原種のシャリンバイよりも葉の幅が狭い。
・ヒメシャリンバイ
葉が小型(長さ2~3センチ)の品種でピンク花もある。
・シマシャリンバイ(アツバシャリンバイ)
小笠原諸島の固有種で葉がシャリンバイよりも分厚い。開花は12月~3月。
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梅の花に似た可愛らしい花♪ヒメシャリンバイ 樹高0.8m前後ポット苗 常緑樹【あす楽対応_九州】 |
シャリンバイの基本データ
【分類】バラ科 シャリンバイ属
常緑広葉 低木
【学名】Rhaphiolepis indica
【別名】ハマモッコク/テーチ木
タチシャリンバイ
【成長】やや遅い
【移植】やや難しい
【高さ】1m~6m
【用途】垣根/街路樹/公園樹
【値段】200円~