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シャクナゲ/しゃくなげ/石楠花
Rhododendron

【シャクナゲとは】
・北半球を中心として世界中に見られる約600種の花木の総称。日本では中部以西の本州、四国及び九州の山地等に分布。
・日本に自生するシャクナゲには、ホンシャクナゲ、ツクシシャクナゲ、アズマシャクナゲ、ハクサンシャクナゲ、キバナシャクナゲなどがあるが、単にシャクナゲという場合は本州中部以西に分布するホンシャクナゲを示すことが多い。
・基本的には高山植物としての性質を持つが、品種改良されて高温多湿の土地に耐える品種もある。
・開花は4~6月で、数輪から十数輪の大きな花が花茎の先端にまとまって咲く。園芸用として人気が高いのはセイヨウシャクナゲの品種群で、自生種よりも色の濃い大輪の花を咲かせる。
・葉は革質で表面に光沢があり、奈良時代にはトベラと混同されたという。葉にはロドトキシンという痙攣性の有毒物質を含み、誤用すれば運動麻痺や呼吸不全を引き起こすため注意する必要がある。
・漢字名にある「石楠」は本来「オオカナメモチ」を示していたが、誤用が広がった。
【シャクナゲの育て方のポイント】
・湿気があり、かつ排水のよい日向を好む。
・花の観賞価値が高いことから人気のあるシャクナゲであるが、一部の園芸品種を除けばデリケートな性質を持ち、原産地に近い環境で育てなければ開花を見るのは難しい。特に都会での地植えは開花が難しい。
・芽を出す力は弱く、むやみに剪定すると樹勢が目に見えて衰える。また、移植も難しい。広い場所で、自然な株立ち状に育てるのが理想。
【シャクナゲの品種】
・ツクシシャクナゲ(筑紫石楠花)
南紀~九州に分布する大形のシャクナゲ。淡い紫色をした美しい花を咲かせる。
・ハクサンシャクナゲ(白山石楠花)
亜高山帯の草原に自生する品種で、薄めの葉が内側に巻き込む。花は淡い紅色や白で、花冠は五つに裂ける。
・キバナシャクナゲ
北海道及び中部以北の本州に分布する品種。最も標高の高い地に自生するシャクナゲで、淡い黄色の花を咲かせる。
・アズマシャクナゲ(東石楠花)
北海道を除く東日本に分布。淡いピンク色の花が咲く。
・キョウマルシャクナゲ(京丸石楠花)
アズマシャクナゲとホンシャクナゲの分布の接点となる、静岡県の京丸山に自生する品種。ホンシャクナゲより大きな淡いピンク色の花を咲かせる。
・アマギシャクナゲ
アズマシャクナゲの変種で、天城山を中心とした伊豆半島の南部に自生する。
このほかヤクシマシャクナゲ、ホソバシャクナゲなどがある。
シャクナゲの基本データ
【分類】ツツジ科/ツツジ属
常緑広葉/低木~小高木
【漢字】石楠花(しゃくなげ)
【別名】石南花/ロドデンドロン
【学名】Rhododendron spp.
【英名】Rhododendron
【成長】遅い
【移植】難しい
【高さ】1m~4m
【用途】シンボルツリー/鉢植え
【値段】2000円~