広い意味では、何らかの素材で家の周りを囲んだものが「垣根」で、樹木や竹などの植物に限らず、石、金属等の工業製品を使う場合もあります。このため樹木による囲いを特に「生垣(いけがき)」と呼んで区別することもありますが、ここではより一般的な「垣根」という用語を使っています。
垣根のメリットは環境条件や好みに応じて必要な高さ、幅を維持できるということで、通常は刈り込みバサミやヘッジトリマーなどで効率的に剪定されます。このため、垣根には剪定に強い樹種を選ぶ必要があります。
木は上へ上へと成長し、それに従って下の方の枝がなくなりがちです。木の選択を誤れば、せっかく目隠し用に垣根を作っても、数年後には外から家の中が丸見えになりかねません。
木は種類によって枝葉の密度が異なります。好みにもよりますが、できるだけ葉が細かく、そして密生するものが垣根には向いています。
以下、垣根に向いている木を特性別にまとめてみました。それぞれの木について詳細を知りたい場合は、木の名前あるいは画像を選択してください。詳細ページに移動します。
ネズミモチ
マンションや公園の緑地に見られる木です。大きな特徴はありませんが、安価で成長が早い木です。こだわりが少なく、何でもいいのでとりあえず、という場合はお勧めです。
ネズミモチ
イヌツゲ
もっとも一般的な垣根用樹木で、どちらかといえば和風の住宅向けです。管理の手間はかかりますが、葉が細かくて密度の高い垣根になります。
イヌツゲ
キンメツゲ
イヌツゲとほぼ同じで、同じように密度の高い垣根になります。ライトグリーンの新芽は、より明るい雰囲気になるため、イヌツゲよりも多く流通しています。
キンメツゲ
キャラボク
これも伝統的な庭に使われることの多い木ですが、葉の小さな針葉樹で、和洋どちらでも使えます。価格はやや割高ですが、成長が緩やかで手間が少ないのも〇。新芽が美しいキンキャラも人気です。
キャラボク
トキワマンサク
サクラが咲く頃、鮮やかな紅紫の垣根を見たことがないでしょうか。かなり人目を惹く樹種で新興の住宅地では多用されています。紅花と白花の品種があり、葉が赤くなるのは紅花だけです。
トキワマンサク
ハクチョウゲ
イヌツゲと見間違いやすい木ですが、背丈はより小さく、6月頃に綺麗な花が咲きます。やや耐寒性が乏しく、葉の密度は低くなりがちです。
ハクチョウゲ
サザンカ
花の咲く垣根といえばコレです。多数の品種があり、花色や開花期はそれぞれです。古臭いイメージの木ですが、花が少ない時季には貴重な存在です。
サザンカ
カンツバキ
こちらも花が咲く垣根の定番。同じ時期に開花するサザンカと近縁で、両者とも虫がつきやすいところが難点ですが、基本的には丈夫に育ちます。
カンツバキ
アベリア
これも公園やマンションの緑地、道路脇で頻繁に目にする木で、花期が長く、夏の間じゅう咲いています。低めの垣根を希望ならこれがお勧めですが、成長が早く頻繁な剪定が必要です。
アベリア
レッドロビン
洋風住宅に使われる垣根の定番。新芽の鮮やかな赤が人目を惹きますが、夏以降は緑色になります。近所のホームセンターでも容易に入手できます。
レッドロビン
プリペット
葉色の明るい洋風の垣根です。成長が早いため、管理に手間はかかりますが、早く目隠しをしたい場合はお勧めです。葉色の異なるいくつかの品種がありますが、長期的には同じような葉になりがちです。
プリペット
マサキ
江戸の昔から垣根に使われる木。黄色や斑入りなど園芸品種が豊富です。近年は病害虫の被害が多いため敬遠されがちですが、きちんと管理すれば美しい垣根になります。
マサキ
カラタネオガタマ
値段は張りますが、成長が遅めで、甘い香りの花が咲く、お勧めの樹種です。御近所であまり使われていないでようから、話題性もあります。
カラタネオガタマ
キンモクセイ
流行に左右されない定番の垣根。樹高が高くなりがちなので、年に数回の剪定は不可欠ですが、秋の芳香はいろいろな記憶を呼び覚ますことでしょう。
キンモクセイ
ヒイラギモクセイ
キンモクセイに近い樹種ですが、より幅が狭く、葉の密度も高めです。害虫がやや多めで、健全な垣根は少ない印象ですが、無難な選択の一つです。
ヒイラギモクセイ
ナワシログミ
近頃はあまり目にしませんが、花はキンモクセイにも匹敵する強い芳香があります。葉は大きめですが目隠しにもなり、食べられる実もなります。
ナワシログミ
ハマヒサカキ
背丈が低く、潮風や大気汚染に強い木です。都会のオフィス街など悪条件の場所にお勧めです。サカキの近縁ですが木の雰囲気は全く違います。
ハマヒサカキ
マメツゲ
イヌツゲと似ていますが葉に丸みがあり、背丈があまり大きくなりません。カッチリとした剪定には向かず、かわいらしい印象のある木です。
マメツゲ
イヌマキ
都会の寺社では丸く刈り込まれていますが、海辺の町では「槙塀」と呼ばれる背の高い垣根が防風、防潮に使われます。葉は細長く、素人が上手に剪定するのは難しめです。
イヌマキ
ラカンマキ
イヌマキとほぼ同じですが葉が小さく、より上品な感じになります。成長が遅くて管理しやすいため、最もお勧めの木ですが、値段はややお高めです。
ラカンマキ
カイヅカイブキ
かつて洋風垣根といえばコレでした。丈夫に育ちますが、大きくなり過ぎることも。コレに限らず針葉樹の垣根を小さく維持するには年に複数回の剪定が不可欠です。
カイヅカイブキ
ニオイヒバ
コニファーの一種ですが、古くから垣根に使われる丈夫な木です。横文字のコニファーより長持ちする場合が多いですが、剪定の際には枯れ葉が背中に入ってチクチクします。
ニオイヒバ
モチノキ
和風庭園に使われる伝統的な庭木ですが、地味なため一般的な認知度は低めです。丹念に刈り込めば主役になりますが、複数を植えて垣根にすれば、名脇役になります。
モチノキ
コノテガシワ
コニファーの一種で洋風のイメージですが、中国生まれで和風にもマッチします。エレガンテシマという品種が普及しています。
コノテガシワ
サンゴジュ
新葉はライトグリーンで明るめ。高めの垣根や防火樹としても多用されます。葉が虫に食われやすい点が難点ですが、環境に合えば光沢のツヤツヤな垣根になります。
サンゴジュ
シラカシ
関東地方ではオーソドックスな垣根。値段が安く入手も容易です。成長が早く、日陰でも育ちますが放置すると大木になります。
シラカシ
アラカシ
シラカシと似ていますが、関東以西でも入手しやすい木です。安価で育てやすいですが、これも成長が早めで大木になりがちです。
アラカシ
ウバメガシ
これもカシの仲間で、材を備長炭に使うことで知られます。性質が丈夫なので海辺や道路沿いの垣根に使われることが多く、一般家庭にはあまり使いません。
ウバメガシ
イスノキ
関西地方ではなじみの深い「虫こぶ」のできる木です。花が咲き、実もなりますが、いずれも地味で控えめな木です。
イスノキ
サカキ
光沢のある大きな葉は荘厳な雰囲気の生垣になります。やや高めの垣根に使えますが、神道関連での使用が多く、一般家庭では稀です。
サカキ
スダジイ
大木となるため広い敷地向けです。葉色が明るくて高級感があり、かつての御屋敷街ではこれで邸宅を包囲し、目隠しとしていました。剪定も大掛かりです。
スダジイ
ヒイラギ
鬼門の魔除け、あるいは防犯として昔からお馴染みの垣根です。最近では葉色の明るい品種が人気ですが、葉がチクチクするため自分で剪定する場合は、避けた方が無難です。
ヒイラギ
カラタチ
こちらもトゲトゲの垣根で手入れは大変ですが、最近はあまり見掛けないため話題性はあります。落葉性なので冬は目隠しにならず、刺だらけの躯体が異彩を放ちます。
カラタチ
ピラカンサ
これもトゲトゲの垣根ですが、白い花が咲き、美しい赤実がなるため人気です。枝は縦横無尽に伸びるため、お手入れは大変。植木屋が最も嫌がる樹種ではないでしょうか。
ピラカンサ
垣根に使える木は他にいくらでもありますが、ここに紹介したもの以外は垣根として長続きしないと管理人は考えています。また、ここにある木でも手入れをしなければ長持ちしません。
初期費用が安いというのも垣根のメリットですが、長期的に手間やコストをかけたくない場合は他のエクステリアがお勧めです。
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