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ノコンギク/のこんぎく/野紺菊

Wild chrysanthemum

ノコンギクとはどんな植物ですか,どんな花
ノコンギクはいわゆる「野菊」を代表する野生菊の一つ
野紺菊,特徴
若葉は食用になる
のこんぎく,葉っぱ
ノコンギクの葉
ノコンギク,のこんぎく
秋には草丈1mほどになる
ノコンギク,くき
茎の様子
山野草 菊
ヨメナに似るが葉や茎に毛がある
野紺菊,種類
園芸品種には濃い紺色の花が咲くものが多いが・・・
シロバナのノコンギク
野生種には白花もある
のこんぎく
ノコンギクの果実は綿毛がある

 

【ノコンギクとは】

 

・北海道と沖縄を除く全国に分布するキク科の多年草。ヨメナと共に、いわゆる「野菊」と呼ばれるキクの代表。葉はヨメナと同じように食用になり、味もよく似る。別名をコンギク、ナンヨウシュンギクという。

 

 

・日向を好み、田んぼの畦道、山道あるいは林の縁などの開けた場所に多い。根はいわゆる地下茎であり、横に広がって群生する。

 

 

・ノコンギクの開花は8~11月で、直径2~3センチの花が、一株当たり数輪~20輪ほどが咲く。花は小花の集まりで、中央付近に咲く黄色いものは筒状花、その外側に咲く花弁のようなものは舌状花と呼ばれる。

 

 

・野に咲く紺色の菊という意味合いでノコンギクと命名されたが、花の色は白~薄紫と個体差や地域差が見られバラエティに富むが、概して明るめの色合いで、群生すると華やかな雰囲気に。紺色が濃い「紺菊」という園芸品種もある。

 

 

・花の後にできる果実にはタンポポのような長い綿毛があり、風によって拡散される。

 

 

・茎は1mほど立ち上がり、上の方で分岐する。葉は硬い毛で覆われ、触れるとザラザラする。茎や果実にも細かな毛が多く、これがヨメナと見分けるポイントとなる。草体には揮発性の精油を含んでおり、茎や葉をちぎると特有の香りがあるが、これによって害虫の食害等を防いでいる。

 

 

・一般的に用いられる「野菊」という呼名は、本種を含めた野山に咲く野生菊、約350種の総称であり、「野菊」というキクは存在しない。 

 

 

【ノコンギクの品種】

 

 

・チョクザキヨメナ 

 栽培品種で外側にある花が画像のようにくびれる。

ちょくざきよめな
チョクザキヨメナ

 

 

・コンギク 

 ノコンギクのうち花色の鮮やかなものを選別して人為的に栽培したもの。

紺菊,花
コンギク

 

 

【ノコンギクに似ている花】

 

 

ヨメナ

 白い花が咲く野菊で、ノコンギクに似るが、葉、茎に毛がないため見分けられる。

 

 

シロヨメナ

 本州以南に自生し、ヨメナに似た白い花が咲くためシロヨメナと命名されたが、雰囲気はヨメナよりもシラヤマギクやノコンギクに近い。  

 

 

リュウノウギク

 宮城~新潟以西の本州、四国及び宮崎県に分布。花は始め白く、秋が深まるとほのかにピンク色を帯びる。葉や茎の香りを精油「龍脳」に擬えて名付けられた。

 

 

ユウガギク

 東北~近畿地方に分布。「ユウガ」は「優雅」ではなく「柚香」。ユズの香りがあるキクという意味で名付けられた。

 

 

 

ノジギク

 兵庫県以西の本州、四国及び九州に分布。海岸近くでも育つ丈夫な性質を持っており、観賞用に栽培されるイエギク(栽培菊)の原種の一つとされる。

 

 

・ダルマギク

 日本海側に自生するキクで、短い茎の先端に柔らかな毛で覆われた丸い花が咲く。

達磨菊
ダルマギク

 

 

シオン

 九州及び中国地方の山間に見られる大型の菊。

 

 

シラヤマギク 

 こちらも草丈が1.5mほどになる大型の菊で、5~6枚の花弁を持った花がまばらに咲くのが特徴

ノコンギクの基本データ

 

【分 類】キク科/シオン属

     多年草

【漢 字】野紺菊(のこんぎく)

【別 名】コンギク/ナンヨウシュンギク

【学 名】Aster microcephalus

     var. ovatus

【英 名】Threevein Aster

     Wild chrysanthemum

【開花期】~10月

【花の色】紺、薄紫、白など(花の中央部は黄色)

【草 丈】~100cm

 

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