ナツズイセン / なつずいせん / 夏水仙
Magic lily
【ナツズイセンとは】
・本州、四国及び九州に分布するヒガンバナ科の多年草。葉や地下にある鱗茎(根)がスイセンに似て、夏に花が咲くためナツズイセンと呼ばれる。
・本種には、いかにも外来のような華やかさがあるが、中国から渡来したのは古い時代。観賞用に栽培されたものが野生化した帰化植物であり、人家近くの草地に見られる。
・スイセンと名乗るが、有毒植物として知られるヒガンバナの仲間であり、全草にアルカロイドのリコリンを含む。毒性は鱗茎(根)に多く、誤って食べると嘔吐、下痢、痙攣を引き起こす。鱗茎は大きな卵形で、民間療法では塗り薬として外用されることもあった。
・春になると新芽を伸ばし、淡い緑色をした柔らかな葉を展開するが、花が咲く夏には葉がなく、花茎だけを地上に出す。花期に葉がないため、別名はハダカユリ。「ユリ」は花の美しさを讃えたものか。葉はニラに似た線形。ニラと混同して食用した事故例があるため注意が必要。
・ナツズイセンの開花は8~9月で、ヒガンバナの仲間では最も早い。花はラッパ状で長さは9センチほど。太くて長い花茎の先端に4~8輪ずつ、横向きに半開する。
・6枚ある花被片(花弁と萼片)は淡い紅紫色で、先端が少しだけ反り返る。多数ある雄しべの葯は黄褐色で、雌しべは花被片の外側に突き出すほど長いが果実はできず、繁殖は株分けによる。
【ナツズイセンに似た植物】
・スイセン
ナツズイセンの基本データ
【分 類】ヒガンバナ科/ヒガンバナ属
多年草
【漢 字】夏水仙(なつずいせん)
【別 名】ハダカユリ(裸百合)
ケイセイバナ
【学 名】Lycoris squamigera
【英 名】Magic lily/Resurrection lily
【開花期】8~9月
【花の色】淡い紅紫色
【草 丈】~70cm