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ヤマハギ/やまはぎ/山萩
Bush clover
【ヤマハギとは】
・北海道から九州まで日本各地の山野に生えるマメ科ハギ属の落葉低木。秋に咲く淡い紅紫の花を観賞するため、庭園や公園、川岸などに植栽され、「草」ではないが「秋の七草」に数えられる。
・ハギの仲間は北半球に約60種あるが、日本にはヤマハギに代表され、木として扱われる8種と、メドハギに代表される、草のハギ4種が分布する。ハギという植物はないが本種が最も一般的であるため、単にハギという場合はヤマハギを示すことが多い。
・奈良時代から平安時代にかけて編纂された万葉集において、花を詠んだ歌ではハギが最も多く、その数は141首に上る。林縁や草地に自生し、古くから日本人に親しまれるが、日本の固有種ではなく、アジア大陸東北部や朝鮮半島にも広く分布。ただし他国ではハギの魅力が共感されておらず、栽培は進んでいない。
・ヤマハギの開花は8~10月。花は直径1センチ程度の小さな蝶形。派手さのないところが昔から好まれる所以だが、花期は長く、満開がはっきりしないまま咲き続け、いつの間にか花が消える。古来からハギの花の終わりは「花が零れる」と表現する。
・一般的なハギのイメージとは裏腹に、枝は垂れ下がらずに直立するか真横に伸びる。枝が垂れるのはミヤギノハギであり、庭園用としてはヤマハギよりミヤギノハギの人気が高い。なお、ハギの枝を使った垣根を「萩垣」と呼ぶ。
・花の後には乾いた果実ができ、11月頃になると褐色に熟す。地味な果実であり観賞価値は乏しいが、ミヤマホオジロ、カシラダカ、オオマシコなどの野鳥がこれを採食する。
・ハギという名前の由来には、古い株から新しい芽が次々に出ることを意味する「生え芽(はえぎ)」、葉が歯の形に似ているため「歯木」、枝を箒に使ったため「掃き」が転訛したとする説がある。
・漢字表記の「萩」は古代中国でカワラヨモギを意味していたが、「秋」を含むことが好まれ、平安時代からハギに使用されるようになった。なお、クローバーのような葉を持つため、英語ではBush Cloverとする。
・一般に秋の七草といわれるものは、オミナエシ、ススキ、キキョウ、ナデシコ、フジバカマ、クズ、ハギ。その暗記方法にはそれぞれの頭文字をとった「オスキナフクハ=お好きな服は」という語呂合わせがある。
【ヤマハギの育て方のポイント】
・栄養分があり水はけの良い場所を好む。
・日向を好む。
・根がどんどん横に広がるため、邪魔な場合は株分けをする。
・北海道に自生するエゾヤマハギが母種であり、本来は寒冷な地を好む。関東以西であれば平地でも育てられるが、西日本の平地では育てにくい。
・環境が良ければ稀に5m程度の高さまで育つことがあるが、刈り込みに強いため、高さは調整できる。
・キタキチョウ(蝶)の幼虫の食草であり、葉を食害されることがある。
【ヤマハギの仲間】
・マルバハギ
本州、四国及び九州に分布するハギの仲間。葉の幅が広い「丸葉」だが、細長い葉も混じる。より明確な違いは花序が短いことで、紅紫の花は葉に埋もれるように咲く。その他、シロバナヤマハギ、ミヤギノハギ キハギ マキエハギ、シラハギ、ツクシハギ、イタチハギなどがある。
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ヤマハギの基本データ
【分類】マメ科/ハギ属
落葉広葉/低木
【漢字】山萩(やまはぎ)
【別名】ハギ/エゾヤマハギ
鹿鳴草/秋知草/芳宜草
【学名】Lespedeza spp.
【英名】Bush clover
【成長】かなり早い
【移植】簡単(根は深い)
【高さ】1~3m
【用途】公園/花木/和風庭園
【値段】1000円~