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ヤマハギ/やまはぎ/山萩
Bush clover
【ヤマハギとは】
・北海道から九州まで日本各地の山野に生えるマメ科ハギ属の落葉半低木。日本には8種類のハギの仲間が分布するが、本種が最も一般的であるため、単にハギという場合は本種を示すことが多い。
・奈良時代から平安時代にかけて編纂された万葉集では、ハギを詠んだ歌が最も多く、その数は141首に上る。秋の七草の一つとしても古くから日本人に親しまれるが、日本の固有種ではなく、アジア大陸東北部や朝鮮半島にも幅広く分布する。
・6月から9月にかけて咲く花は直径1センチ程度の小さな蝶形。派手さのないところが昔から好まれる所以か。花期は長く、満開がはっきりしないまま咲き続け、いつの間にか花が消える。古来からハギの花の終わりは「花が零れる」と表現する。
・一般的なハギのイメージとは裏腹に枝は垂れ下がらずに直立するか真横に伸びる。枝が垂れるのはミヤギノハギであり、庭園用としてはヤマハギよりミヤギノハギの人気が高い。なお、ハギの枝を使った垣根を「萩垣」と呼ぶ。
・ハギという名目の由来には諸説あるが、古い株から新しい芽が次々に出ることを意味する「生え芽(はえぎ)」が転訛してハギになったとする説が根強い。クローバーのような葉を持つため、英語ではBush Cloverとする。
・一般に秋の七草といわれるものは本種以外に、オミナエシ、ススキ、キキョウ、ナデシコ、フジバカマ、クズである。
【育て方のポイント】
・栄養分があり水はけの良い場所を好む。
・日向を好む。
・根がどんどん横に広がるため、邪魔な場合は株分けをする。
・北海道に自生するエゾヤマハギが母種であり、本来は寒冷な地を好む。関東以西であれば平地でも育てられるが、西日本の平地では育てにくい。
・環境が良ければ稀に5m程度の高さまで育つことがあるが、刈り込みに強いため、高さは調整できる。
【ハギの仲間】
マルバハギ ミヤギノハギ キハギ
シラハギ ツクシハギ

ヤマハギの基本データ
【分類】マメ科 ハギ属
落葉広葉 低木
【学名】Lespedeza spp.
【別名】ハギ/エゾヤマハギ
鹿鳴草/秋知草/芳宜草
【成長】かなり早い
【移植】簡単(根は深い)
【高さ】2m~3m
【用途】公園/花木/和風庭園
【値段】1000円~