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ユズ/ゆず/柚子
Yuzu Orange(Japanese citron)
【ユズとは】
・揚子江流域の中国を原産とするミカン科の常緑樹。冬至のユズ湯でお馴染みのとおり、香りを楽しむ「香りミカン」の代表。飛鳥時代あるいは奈良時代に朝鮮半島を経由して日本へ渡来した。日本に元来の自生はないが、山口県、高知県及び熊本県では野生化したユズの木が見られる。
・ミカンの仲間としてはカラタチと共に寒さに強く、冬至に備えて家庭や畑の隅に植えられることが多い。果実を実用するユズとは別に、花の観賞を目的とするハナユ(花柚)もある。
・ユズの葉は長さ6~9センチで枝から互い違いに生じ、柄には画像のように大きな翼が見られる。葉の先端は尖り、縁には緩やかなギザギザがある。枝分かれが多くて鬱蒼としやすいが他のミカン類と同様、葉の付け根に鋭く長い棘があり扱いにくい。
・開花は初夏(5~6月)で、直径2~3センチほどの白い5弁花が枝先近くに咲く。花は香りが強く、お吸い物などの料理に使われる。ミカン類の中では大きめの花だが、花弁は風で容易に落下する。
・果実は直径4~7センチ、重さ120g前後で表面はデコボコしてし、10月から1月にかけて熟すと鮮やかな黄色になる。果皮と果汁には強い酸味と香りがあり、ビタミンCを豊富に含む。
・酸味が強すぎるため生食よりも香味料や薬味として和食などに使われることが多い。果皮が簡単に剥けて扱いやすいため、柚餅子(ゆべし)、柚味噌(ゆみそ)、柚醤油(ゆびそ)など、古くから各地の家庭料理に使われてきた。
・果実の中にある7~8個の種子は民間療法に使われ、種子を砕いたものを煎じて飲めば、下腹部の痛み、喉に刺さったトゲに効果があり、種子を黒く焼いて御飯粒と練り合わせたものは、魚の目やマメに効果があるとされた。
【ユズの育て方のポイント】
・日当たりと水はけの良い肥えた土地を好む。ただし、西日を嫌うため植え場所には留意する必要がある。
・果実には殺菌や防虫作用があり、病害虫の被害は少ない。
・寒さに強く、東北地方の海辺でも育てることができる。しかし、種子から育てると、成長の勢いが強すぎるため、実がなるまでに15年ほどかかる。早期に収穫したい場合、接木の苗を育てるのがよい。
・根が深く張り、ウンシュウミカンなど他のミカンの台木(接ぎ木の基礎となる木)として使われる。移植には労力が必要だが、不可能ではない。
【ユズの品種】
・多田錦~種なしの品種
ユズの基本データ
【分類】ミカン科 ミカン属
常緑広葉 小高木
【学名】Citrus junos
【別名】ユズノキ/ホンユ/ユノス
【成長】早い
【移植】普通
【高さ】3m~6m
【用途】果樹
【値段】1500円~