庭木図鑑 植木ペディア > ノカンゾウ

ノカンゾウ/のかんぞう/野萱草

‎Orange day-lily

のかんぞう,開花期
ワスレグサと呼ばれる植物の一つ
のかんぞう,若葉
新葉の様子
食べられる葉
春から初夏にかけて採取した葉は山菜となる
‎Orange day-lily
裏面の様子
蕾,つぼみ
ツボミの様子
のかんぞうの花
川面を覗き込むようにして咲くことが多い
カンゾウとノカンゾウの違い
花被片の下部は細長い筒状 その下にはカンゾウにない小さな苞がある(緑の部分)
ワスレグサ,植物
葉先は弓状に垂れ下がる(成葉の様子)
野かんぞう,野草
中央の脈は溝になってへこむ(裏面の様子)
‎Orange day-lily,flower
花の色は個体によって濃淡があり・・・
のかんぞう,植物
花色が濃いのはベニカンゾウと呼ぶこともある
ノカンゾウの花
5本ある雄しべは花弁より短い
わすれぐさ,果実
花の後はカマキリの卵みたいになるが種子はできない
忘れ草,名前
秋の様子
お雛草,人形草
葉は株元から互い違いに生じる

【ノカンゾウとは】

・北海道から沖縄まで日本全国に分布するツルボラン科ワスレグサ属の多年草。川原の土手、草原、田畑の畔など身近な場所に群生し、夏に鮮やかなオレンジの花を咲かせる。日本以外では台湾や中国に分布。

 

・「カンゾウ(萱草)」は中国を原産とする近縁の多年草。本種はカンゾウに似て野に自生することからノカンゾウと呼ばれる。「萱」は中国で「忘れる」という意味で、その美しい花を見れば憂いを忘れるという中国の故事にちなみ、日本ではカンゾウ、ノカンゾウ、ヤブカンゾウなどをまとめてワスレグサと呼ぶ。 

 

・ノカンゾウの開花は7~8月。葉の間から伸びる花茎は70~80センチで二つに分岐し、10輪前後の花が下から順に咲き上がる。花は長さ7センチ程度でカンゾウより小さい。これらの花を英語でデイリーリリーといい、一日花と解されることが多いが、実際には朝開いて夕方萎むことを2~3日繰り返す。

 

・花被片(花弁と萼)は6枚で外へ少し反り返り、中央にはクリーム色の筋模様が入る。花色はオレンジだが、個体や環境によって濃淡がある。花の中央には1本の雌しべと6本の雄しべがあるが、実はならない。 

 

・ノカンゾウの葉は淡い緑色をした平たい紐状で、長さ50~70センチ、幅1~1.5センチほどになる。株元から互い違いに生じる葉の組み合わせは十二単の襟元に似ており、かつてこれで雛人形を作って遊んだことから、オヒナグサ、ニンギョウソウという別名がある。

 

・ノカンゾウは山菜として有名であり、クセのない新芽を天婦羅や酢味噌和え、御浸し、炒め物などにして利用する。柔らかな若葉は生のままでも食べることができる。

 

・花や蕾も食用となり、湯通しして乾燥させたものを保存食とし、これを煎じたものを民間療法では解熱や利尿に使った。中華料理の具材に使われる金針菜はカンゾウの蕾を使ったものだが、ノカンゾウでも代用できる。

 

・根は太くて短いが分岐しながら横へ広がり、先端にはサツマイモのように膨らんだ塊根を作る。 

 

【ノカンゾウの品種】

・ベニカンゾウ

 ノカンゾウのうち、花弁の赤みが強いものを特にベニカンゾウと呼んで区別することがある。

 

【ノカンゾウに似た草花】

・カンゾウ

 中国を原産とする近縁種で、レモン色に近い花を咲かせる。ホンカンゾウ、シナカンゾウなどと呼んでノカンゾウと区別していたが、近頃では両者を同様に扱うことが多い。

 

ヤブカンゾウ 

 ノカンゾウは一重咲きだが、ヤブカンゾウは八重咲きで、株全体がノカンゾウより大きい。同じような場所に生えるため見分けるのが難しいが、ヤブカンゾウの葉の幅はノカンゾウの倍以上ある。

 

・ハマカンゾウ

 関東以西の海岸に自生する類種。葉の幅はノカンゾウと同じだが、冬でも青々としている。

 

・ヘメロカリス(ヒメロカリス)

 本来はワスレグサ属全体の呼名がだが、日本ではノカンゾウを片親とする園芸品種の「ヘメロカリス」が流通する。花色にバリエーションがあって美しく、ハナカンゾウともいう。

ノカンゾウの基本データ

 

【分 類】ツルボラン科/ワスレグサ属

     多年草

【漢 字】野萱草(のかんぞう)

【別 名】ワスレグサ

     ベニカンゾウ(紅萱草)

     カンゾウ/カンピョウ

     カンノンソウ

【学 名】Hemerocallis fulva

     var.disticha

【英 名】Orange day-lily

     Wild tawny day-lily

【開花期】~8月

【花の色】オレンジ

【草 丈】~90cm