昨今の住宅事情からでしょうか、庭に植えるならあまり大きくならない木がよいという方がほとんどです。
そこで「低木」となるわけですが、何を持って「低木」とするかは難しいところです。ここでは一般的に2m以下の高さに抑えて管理されることが多いものを集めてみました。
どの木も、かなり普及しているもので目新しさはありませんが、その分、日本の気候に適することが十分に立証されているもので、価格や流通面で入手しやすことも特徴です。
あまり大きくならない木のうち、基本的に冬でも葉を落とさない木です。庭の背景や人の視線が気になる箇所への植栽にお勧めです。
アオキ
地味な存在ながらも、日陰に強い庭の名脇役。手入れの手間もあまりかからない低木です。
アオキ
アセビ
漢字では「馬酔木」と書きます。広く一般に植えられるのは紅紫色の花が咲く品種ですが、白花の品種もあります。
アセビ
アベリア
丈夫で花期が長く、刈り込みにも強いため公園やマンションの緑地に植栽されることの多い低木です。地域によっては半常緑性となります。
アベリア
イヌツゲ
和風庭園で定番の低木といえばこれです。枝葉が密生し、好きな形に仕立てることができます。
イヌツゲ
オオムラサキツツジ
サツキとともにもっともポピュラーな花木です。大気汚染等の劣悪な環境に強く、入手も容易です。
オオムラサキツツジ
キンメツゲ
イヌツゲの園芸品種で、新芽の美しさが際立ちます。和洋問わず幅広く利用される低木です。
キンメツゲ
クチナシ
梅雨時に開く純白の花はジャスミンの香りがするともいわれます。ジンチョウゲ、キンモクセイとならぶ三大香木の一つ。
クチナシ
サツキツツジ
低木といえば、真っ先にこれを思い浮かべます。ありふれすぎていますが、愛用されるには理由があります。
サツキツツジ
シャリンバイ
梅に似た花を車輪状に咲かせることから命名されました。地味ですが日陰、痩せ地、排気ガス等に耐えることから、密かに人気があります。
シャリンバイ
ジンチョウゲ
春先に咲く花の香は、少し離れた場所でも分かるほど。移植が難しいという頑固さがありますが、根強い人気の低木です。
ジンチョウゲ
センリョウ
正月飾りなどでお馴染みのゲンのいい下草です。冬期に熟す赤い実は、寂寥とした庭の地際を彩ります。
センリョウ
トベラ
比較的地味な存在ですが、こちらも環境適応力が高く、道路沿いや海辺の緑化など何かと重宝する樹木です。
ナワシログミ
グミと名の付く樹木はいろいろとありますが、こちらは苗代(田代)をつくる初夏に実がなるグミです。垣根に使われることも多く、「食べられる生垣」ができます。
ナワシログミ
ナンテン
厄除けで知られるナンテンは、花や実もさることながら季節によって変化する葉の色も魅力的です。ナンテンしか植えていない庭というのもしばしば見かけます。
ナンテン
ハイビャクシン
ここで紹介する唯一の針葉樹です。別名「ソナレ」には、海風に従って這うように育つという意味があります。ブルーカーペットやウィルトニーといったコニファーの原種です。
ハイビャクシン
ハクチョウゲ
葉はイヌツゲに似ますが、「六月雪」という別名のとおり、初夏になると写真のような花を咲かせます。寒さにやや弱く、寒冷地では半常緑性となります。
ハクチョウゲ
ヒイラギナンテン
魔除けとして鬼門に植えられることも多い低木です。黄色い小花、ブルーベリーのような実、初冬の紅葉と密かに楽しみの多い低木でもあります。
ヒイラギナンテン
マンリョウ
和風庭園の定番。縁起を担ぐ低木として昔から人気です。艶やかな実は千両を凌ぐとされます。
以下は低木のうち、冬に葉を落とす種類のものです。
冬の間は目隠しにならないという弱点はありますが、いろとりどりの花を咲かせたり、実を結んだりして庭を彩ります。
季節によって葉の色が微妙に変化していくのも、常緑樹にはない魅力の一つです。
アジサイ
放任すれば株が大きくなるため、定期的な手入れが欠かせませんが、高木の下など日差しの少ないところでも育てることができます。
アジサイ
キンシバイ
初夏に糸のような雄しべを持つ花を咲かせます。和風、洋風どちらの庭にも違和感がありません。温暖地では常緑性となります。
キンシバイ
コデマリ
春になると小さな花が手毬状に並んで枝を覆います。原産地は中国ですが、日本でも江戸時代から観賞されてきた低木です。
コデマリ
シモツケ
コデマリと同じバラ科シモツケ属の低木です。「下野の国」で発見され全国に広がりました。初夏から咲く花にはいくつかのカラーバリエーションがあります。
シモツケ
タニウツギ
5月頃に咲く花は情熱的で力強く、春の花木の中では異彩を放ちます。ウツギと名の付く花木はいろいろとありますが、中でも環境適応力の高い丈夫な低木です。
タニウツギ
ドウダンツツジ
スズランのような花、秋の紅葉など見所が多く、昔から人気のある落葉性のツツジです。目隠しにはなりませんが、他の植木と組み合わせて生垣に使われることも多い低木です。
ドウダンツツジ
トサミズキ
近縁のヒュウガミズキより大きくなりますが、その分、花も見ごたえがあります。放任すると4m程度になるため、低木として扱うには手入れが必要です。
トサミズキ
ハコネウツギ
5月ころに咲く花は、咲き始めの白から紅色へと次第に変化するという変わった性質を持ちます。
ハコネウツギ
ハナズオウ
ハート型の葉を付ける落葉低木。4月になると写真のように粒状の花を咲かせます。単に「スオウ」と呼ばれることもあります。
ハナズオウ
ヒュウガミズキ
早春に可憐な花を咲かせます。建物沿いあるいは池の端などに数株並べて植えると、見栄えがします。
ボケ
春を告げる人気の低木。原産地は中国ですが生育が盛んで丈夫なため多くの園芸品種が広まりました。花の色はバラエティーに富みます。
ボケ
ヤマブキ
「山吹色」の語源となった花です。花の魅力もさることながら、株立ち状に繁茂する緑色の枝は、水辺などに植栽すると引き立ちます。
ヤマブキ
ユキヤナギ
桜が開花するほんの少し前に、雪が降ったように細かな花を咲かせます。葉っぱも小さなライトグリーンで、清涼感があります。
ユキヤナギ
ライラック
「リラの花」としても知られる北国の代表的な花木です。花には芳香があり、代表的な紫色のほか、白、ピンクなどがあります。玄関前のシンボルツリーなどに。
ライラック
レンギョウ
普段は目立ちませんが、春になると周囲を明るく照らすように鮮明な花を咲かせます。芽吹きがよいため生垣にも使われる低木です。
レンギョウ
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