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ヤマブキ/やまぶき/山吹
Yamabuki
【ヤマブキとは】
・北海道から九州まで日本全国に分布するバラ科の落葉性の低木。低山の水辺など湿気を好み、時に群生する。日本以外では中国に自生し、ヨーロッパでは中国から持ち込まれたものが広く栽培されている。
・「山吹色」の語源となった花で、春になると枝に沿って画像のような深みのある黄色い花を咲かせる。同じような時季に咲く他の黄花より濃厚な色合いで優雅な印象がある。
・開花は4~5月で、花弁は5枚。野生のヤマブキは一重だが、園芸用品種には八重咲きのものがあり、より好まれる。花の後には星形の台座に乗って画像のような実ができる。
・葉は卵形で枝から互い違いに生じる。幹(枝)は細くしなやかで、株状に生える。当初は画像のような緑色で経年と共に褐色に変化する。
・庭木としては花が八重咲きのヤエヤマブキの利用が多い。ヤエヤマブキは結実しないことで有名だが、通常のヤマブキ(5弁花)は結実する。
・学名にあるKerriaはイギリスにあるキュー植物園のガーデナーであったウイリアムカー(William Kerr)氏にちな。同氏は19世紀の始めにヤマブキを中国から持ち帰り、その後のヨーロッパにおける普及に貢献した。
【ヤマブキの育て方のポイント】
・丈夫で育てややすく、植栽場所さえ選べば、特別の管理は必要としないが、稀に枝枯れ病にかかることがある。
・大きな株から、しなやかに伸びる枝が美しいため、狭い場所では見映えがしない。
・湿気を好み、西日や乾燥に弱い。
・日当たりの悪い場所では花つきが悪い。
・地下茎を伸ばして増えるため、邪魔になった場合、適宜、根元から切り除く。根は広く浅く張るため、容易に引き抜くこともできる。
【ヤマブキの品種】
・シロバナヤマブキ(白花山吹)
花弁が5枚で白い花を咲かせる。花弁が4枚のシロヤマブキとは異なる。
・ヤエヤマブキ
八重かつ大型の花が咲く品種で、花が派手なため植栽数は原種のヤマブキよりも多いが実はならない。
・キクザキヤマブキ(菊咲山吹)
菊状の花を咲かせるが、シワシワであまりパッとしない。
・フイリヤマブキ
葉に白い斑模様が入る。花は山吹より小ぶりで上品。
・キスジヤマブキ
小枝に黄色い筋が入る。
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ヤマブキの基本データ
【分類】バラ科 ヤマブキ属
落葉広葉 低木
【漢字】山吹(やまぶき)
【別名】─
【学名】Kerria japonica
【英名】Yamabuki
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】1m~2m
【用途】公園/花木/切花
【値段】500円~