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ハマナス/はまなす/浜梨
Japanese rose
【ハマナスとは】
・北海道から山陰地方(鳥取まで)の海岸沿いに自生するバラ科の低木。寒冷地に使える貴重な花木として特に北海道で普及している。同地の原生花園で令和天皇が本種を特に愛でたことにちなみ、雅子皇后の御印となっている。
・ハマナスとハマナシの両方の呼び方があって混乱しやすいが、ハマナシを正式名とする説が有力。ハマナシ(浜梨)は、浜辺に生じ、梨のような味のする実がなることからで、ハマナス(浜茄子)は実をトマト(=赤茄子)に例えたことから。また、正式名のハマナシが東北訛りでハマナスになったという説もある。日本以外でも中国や朝鮮半島、樺太に見られる。
・海岸地に群生する様子が美しく、本来は狭い庭に使うような樹種ではない。花期は夏(5~7月)で、日本の野生バラとしては大きな花が咲く。花には強い香りがあり、ライラックやニセアカシア同様、香水に使われる。
・夏にできるハマナスの実は直径2センチほどで、写真のようにプチトマトに似る。果肉は甘酸っぱくて食用できるものの、梨ほどに美味しいわけではなく種も多い。
・葉は、葉脈が深くてシワシワに見える。また、自生種の枝には太いトゲが密生するが、栽培品種の多くはトゲがない。
【ハマナスの育て方のポイント】
・耐寒性、耐潮性に優れ、バラの台木に使われるほど強い性質を持つが暑さにはやや弱く、太平洋岸での天然分布の南限は茨城県の波崎町。園芸用として出回るものはこの限りではない。
・本来は砂地に生えるが、普通の庭土でも問題なく育つ。
・暖かい地方では枝葉が繁茂しやすく、花数は少なくなる。
・株立ち状に育つのが基本で、背丈は最大でも2m程度に収まる。剪定せずに自然樹形を鑑賞するのが基本。
【ハマナスの品種】
・変種に白花、黄花、そしてそれぞれの八重咲き種がある。
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ハマナスの基本データ
【分類】バラ科/バラ属
落葉広葉/低木
【漢字】浜梨(はまなす)
【別名】ハマナシ
【学名】Rosa rugosa
【英名】Japanese rose
【成長】早い
【移植】普通
【高さ】1m~2m
【用途】公園/海岸緑地/花木
【値段】2000円~