庭木図鑑 植木ペディア > ハコネウツギ
ハコネウツギ/はこねうつぎ/箱根空木
Hakone-utsugi
【ハコネウツギとは】
・スイカズラ科の落葉樹で日当たりの良い海岸付近や林の縁に見られる。特に箱根近辺に偏って分布するため命名されたが自生は少なく、かつて箱根辺りに植栽された種が野生化したと考えられている。
・「~ウツギ(空木)」は幹が中空であることに由来しており、ウツギの仲間ではない。
・5月から6月にかけて咲く朝顔のような花は開花中に色素が変化し、白色から順次、薄ピンク、紅色と三段階に移り変わる。またこれら三色が一つの枝に同時に着生するため見応えがある。
・別名のゲンペイウツギ、サキワケウツギはいづれもこうした花の色の変化によるもの。ゲンペイは紅白をそれぞれのシンボルカラーとした源氏と平家にちなむ。
・葉は落葉樹のわりに厚みがあり、夏季の間は光沢がある。若菜は食用とされたほど柔らかい。葉の柄には毛が目立つ。
【ハコネウツギの育て方のポイント】
・放置すれば大きくなるが、芽を出す力が強く、剪定にも耐えるため、花後に切り戻せば背丈が低いまま管理できる。
・潮風に強いため、防潮用樹として海沿いの緑化に用いることができる。
・日陰では生育が悪いものの、半日陰程度であれば開花するため、他の木の下草として使うこともできる。
・暑さ、寒さ、大気汚染、病害虫に強い。
・挿し木で簡単に増やすことができる。
【ハコネウツギの品種】
・ニオイウツギ
伊豆諸島に自生する変種で、花はより小さいものの芳香がある。
【ハコネウツギに似ている木】
・タニウツギ~通常「ベニウツギ」といえば同じスイカズラ科タニウツギ属のを示すことが多いものの、ハコネウツギをベニウツギと称する場合もあり混乱しやすい。タニウツギの花はピンク(あるいは白)一色であり、ハコネウツギのような変化はない。日本海側に多い。
花筒が細く、葉も薄い近縁種。こちらは箱根にも自生する。
関東以西の太平洋岸に分布。濃い紅色の花を咲かせる。
|
ハコネウツギの基本データ
【分類】スイカズラ科 タニウツギ属
落葉広葉 低木
【漢字】箱根空木(はこねうつぎ)
【別名】サキワケウツギ/ベニウツギ
ゲンペイウツギ
【学名】Weigeia coraeensis
【英名】Hakone-utsugi
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】2m~5m
【用途】花木/公園/切り花
【値段】600円~