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テンダイウヤク/てんだいうやく/天台烏薬
Evergreen lindera
【テンダイウヤクとは】
・中国の中南部を原産とする低木。独特の芳香を放つ根が胃薬になるとして、薬木として享保年間(江戸時代)に日本へ渡来したものが野生化し、本州や九州の暖地に分布する。秦の始皇帝が探し求めていた不老長寿薬の最有力候補とされた。
・胃薬になるのは根の肥大した部分で、その形状をカラスに見立てて「烏薬」と呼ばれるようになった(諸説あり)。また、中国の天台山のものが生薬として最良とされたことから、後に「天台」を冠してテンダイウヤクと呼ばれるようになった。
・やや大きめの葉には光沢があり、クスノキ科に特有である3本の葉脈が美しいことから、薬木のみならず観賞用にも植えられるようになった。ほどよく剪定されたものは樹形に趣があり、通好みとされる。
・雌雄異株で3月~4月にかけて写真のような黄色い花を咲かせ、秋には直径1センチ程度で黒紫色の実ができる。種子を播けば簡単に発芽する。
【テンダイウヤクの育て方のポイント】
・寒さがやや苦手であり、植栽の適地は関東以西となる。
・枝が細く、成長も遅いため樹形はまとめにくいが、剪定には耐える。東海地方以南であれば頻繁に刈り込んで好きな樹形に仕立てられる。
【テンダイウヤクに似ている木】
・ダンコウバイ~同じような黄色い花を咲かせる。
テンダイウヤクの基本データ
常緑広葉/低木
【学名】Lindera strychnifolia
【別名】ウヤク
【成長】遅い
【移植】普通
【高さ】3m~5m
【用途】薬木/公園/垣根
【値段】2000円~