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ナンテン/なんてん/南天

Nandina

ナンテン 庭木図鑑
「難を転じる」縁起物として知られるナンテンの赤い実
ナンテンの木,成長,なんてん
桜が咲くころ、新芽をヒョロヒョロと伸ばす
南天,なんてん,葉っぱ
ナンテンの葉は御赤飯に添えられる
ナンテンの木の葉
裏面の様子
Nandina in Japan
花の時期は6月ころ
南天の花言葉,なんてん
花言葉は「福をなす」「良い家庭」など
ナンテンの実,画像
花が終わる7月には実ができ始める
ナンテンの実,画像,なんてん
実は寒さが深まるにつ入れて赤く熟し・・・
なんてん,樹木
10~11月に赤く熟すが、ヒヨドリなどに食べられる 
なんてんの木
主役とはなりにくいが和風庭園の定番
なんてん,画像,紅葉
ナンテンは紅葉も美しい
Nandina
紅葉したナンテンの葉
ナンテン,庭木図鑑
庇まで伸びると、お金が貯まるという言い伝えがあり・・・
ナンテン 植木 画像
下町や古い民家に多い
なんてん,樹皮
ナンテンの幹には古い枝の跡が残る
幹
樹皮の内部は黄色い

【ナンテンとは】

・茨城県以西の本州、四国及び九州に分布するメギ科ナンテン属の常緑低木。和風庭園の定番であり、赤い果実や紅葉を観賞するため、庭木、盆栽、正月の床飾りなどに多用される。日本以外では中国やインドに自生。

 

・ナンテン属の木は他になく一属一種の木とされる。山口県萩市川上には国の天然記念物に指定されるナンテンの自生地があるが、日本に生えるナンテンの起源は不詳であり、中国中南部及びインドの暖地にあったものが薬用として持ち込まれ、その後に野生化したとする説や、空海が唐から持ち帰ったナンテンの杖を石垣に突き刺したものが根付いたとする伝説などがある。

 

・ナンテンという名前は、中国名で食堂の灯りを意味する「南天燭(ナンテンチュー)」に由来し、果実に野鳥が集まることを意味するという説、あるいは複数の幹が乱立する様を竹に見立てた「南天竹」に由来するという説がある。

 

・日本では漢字の読みが「難転」に通じるという語呂合わせにより、江戸時代から縁起の良い木とされ、火災除けや魔除けのため玄関先、トイレ付近、鬼門の方角に植えられ、その名残が今日でも各地に見られる。  

 

・ナンテンの葉は長さ3~7センチ、幅2センチ前後の菱形をした小葉が集まって、長さ20~50センチの大きな羽根状になる。赤飯や魚料理などの重箱にナンテンの葉が添えられるのは、葉に含まれるナンジニンという成分が熱と水分に触れると、防腐作用のあるチアン水素を僅かに発生するため。かつてはトイレの手水鉢近くに植えて、ペーパータオル代わりにしていた。また、葉は強壮剤としても利用される。

 

・ナンテンの開花は初夏(5~6月)で、枝先に伸びた円錐状の花序(花の集り)に、白い小花が多数集まって咲く。花は長さ6ミリほどで雌しべの周りに6個の雄しべがあり、その先端にある葯は黄色い。花弁も6枚あるが、6枚が咲き揃うと外側の3枚は脱落するため、満開の花を見るのは難しい。 

 

・10~11月に熟す果実は直径6~7ミリの球形で、種子が二粒入る。果実にはアルカロイドの一種であるナンテニンが含まれ、乾燥させたものは漢方薬「南天実(なんてんじつ)」として咳止めや喉飴に使われる。よく目立つ果実であり、ヒヨドリ、ツグミ、ジョウビタキなどの野鳥がこれを採食する。

 

・果実は熟すにつれて赤から黒になるため、岐阜県郡上市八幡町では赤字が黒字に転じるという縁起を担いだ巨大な「南天玉」が作られ、正月飾りに使われる。

 

・株立ち状に育つが枝分かれは少なく、まっすぐに伸び、放任すれば樹高5mを超えることもある。樹皮にも抗菌作用があり、ナンテンの材で作った南天箸は不老長寿あるいは中風(身体の麻痺)除けに効果があるとされ、寺院など販売される。ただし箸に実用性はなく、縁起物の装飾品として扱うのが普通(南天箸にはイイギリの材を使うという説もある。)

 

・幹の直径は通常2~3センチだが、複数の幹が癒合して直径10センチほどになったものは、金閣寺や帝釈天に見られる格調高い床柱になる。材は黄色く、剪定の切断面も黄色になる。 

 

【ナンテンの育て方のポイント】

・暖地に自生し乾燥にも強いが、湿気のある半日陰がベスト。日差しの強い場所では葉の色が悪くなる。また、移植を嫌うため植える場所はよく吟味した方がよい。

 

・開花期は梅雨時だが、花は雨を嫌い、大量の雨に当たると実のつきが悪くなる。また、できたての実は堅いため、鳥が食べることはないが、季節を経て熟せば柔らかくなり、周辺環境によっては、せっかくの実も、あっという間に食べられる。ナンテンの実を食べるのは主にヒヨドリ。

 

・剪定は可能だが、基本的には剪定を嫌うため、樹形を整える最低限にとどめなければ、生育が悪くなる。枝葉の途中で剪定すると葉の付け根まで枯れこむため、剪定後の姿はイメージしにくい。

 

・病害虫に強いが、根が浅く、なおかつ頭でっかちに育つため、風の影響で倒れやすい。  

鵯
熟した実には野鳥が集まり、遠慮なく実を食べ尽くす

【ナンテンの品種】

・キンシナンテン(錦糸南天)

 細い葉が糸状になっている品種で、江戸時代に流行した。

 

オタフクナンテン 

 背丈が大きくならず、真夏と真冬以外は葉が赤くなるため、公園、庭園、商業施設などでよく使われる人気のある品種だが、ナンテンのような実はならない。ナンテンに比べて丸みを帯びた葉の様子をオタフクに擬えて命名された。 

大きくならないナンテン
オタフクナンテン

 

・シロミ(白実)ナンテン

 実がクリーム色の品種。実の色は白とも黄色ともいえず、シロナンテン、キミノナンテンといった呼び名もある。普通の南天と一緒に植えれば紅白の実がなるとして縁起を担ぐ。紅葉しないのが特徴。

実が白いナンテンの木
シロナンテンとナンテンの寄せ植え

 

・オリヅル(折り鶴)ナンテン

 撚れた葉が密生する珍品で、高級品とされる。葉の様子を折り紙の鶴に擬えて命名された。 

ナンテンの品種,種類
葉が縮れるオリヅルナンテン

 

・ナンテントワイライト

 アメリカで生まれた新しい品種。緑の葉に白い模様が入ることに加え、新葉がピンク色になり、三色のハーモニーが美しい。そして背丈もオタフクナンテンと同程度にとどまるため、ナンテンは古臭いという世代にも受け入れられる。

斑入りの南天,なんてん
ナンテン トワイライト

 

 このほかにも薄紫色の実がなるフジナンテンやオレンジ色の実がなるウルミナンテン、葉が小さくて果実が垂れ下がらないシナナンテンなどがある。

ナンテンの基本データ

 

【分類】メギ科/ナンテン属

     常緑広葉/低木

【漢字】南天(なんてん)    

【別名】ナツテン/ナルテン

    南天竹/ナイテン/ナデン

    南天燭(ナンテンショク)

【学名】Nandina domestica 

【英名】Nandina

【成長】やや遅い 

【移植】簡単 

【高さ】1m~4m 

【用途】和風庭園/公園/生け花 

【値段】800円~