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ナンテン(南天)
Nandina









【ナンテンの特徴】
・日本、中国及びインドに分布する1属1種の低木。秋の紅葉が美しく、晩秋になる赤い実は正月の床飾りなど季節行事に利用される。
・丈夫で育てやすいこともあり、和風庭園の定番となっている。幹は枝分かれが少なく、まっすぐに伸びることから箸の材料にもなる。(これを「南天箸」というが、ナンテンではなく、イイギリの材を使うという説もある)
・名前は、中国名で食堂の灯りを意味する「南天燭(ナンテンチュー)」に由来し、実に野鳥が集まることを表す。
・日本読みが「難転」に通じることから縁起の良い木とされ、災いや穢れを断つために玄関先やトイレ付近へ植えられるケースが多い。
・「のど飴」のイメージからも分かるように、「ナンテニン」(アルカロイド)を含む実は、漢方薬として咳などの症状に効くとされる。
・ナンテンの葉が赤飯などの料理に添えられるのは、防腐作用があるため。また、強壮剤としても利用される。
【育て方のポイント】
・病害虫に強い。
・乾燥にも強いが、湿気のある半日陰がベスト。
・日差しの強い場所では葉の色が悪くなる。
・開花期は梅雨時だが、花は雨を嫌い、大量の雨に当たると実のつきが悪くなる。
・できたての実は堅いため、鳥が食べることはないが、季節を経て熟せば柔らかくなり、周辺環境によっては、せっかくの実も、あっという間に食べられる。ナンテンの実を食べるのは主にヒヨドリ。
・剪定は可能だが、基本的には剪定を嫌うため、樹形を整える最低限にとどめなければ、生育が悪くなる。
・根が浅く、なおかつ頭でっかちに育ちやすいため、風の影響で倒れやすい。
【ナンテンの品種】
・キンシナンテン(錦糸南天)
細い葉が糸状になっている品種で、江戸時代に流行した。
背丈が大きくならず、真夏と真冬以外は葉が赤くなるため、公園、庭園、商業施設などでよく使われる人気のある品種だが、ナンテンのような実はならない。ナンテンに比べて丸みを帯びた葉の様子をオタフクに擬えて命名された。

・シロミ(白実)ナンテン
実がクリーム色の品種。実の色は白とも黄色ともいえず、シロナンテン、キミノナンテンといった呼び名もある。普通の南天と一緒に植えれば紅白の実がなるとして縁起を担ぐ。

・オリヅル(折り鶴)ナンテン
撚れた葉が密生する珍品で、高級品とされる。葉の様子を折り紙の鶴に擬えて命名された。

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【人工植物】ナンテン80cm[GD-71]【RCP】【10P20Sep14】【marathon0920_500】 |
ナンテンの基本データ
【分類】メギ科/ナンテン属
常緑広葉/低木
【学名】Nandina domestica
【別名】ナツテン/ナルテン
南天竹
南天燭(ナンテンショク)
【成長】やや遅い
【移植】簡単
【高さ】1m~4m
【用途】和風庭園/公園/生け花
【値段】800円~5000円