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マルバウツギ/まるばうつぎ/丸葉空木
Fuzzy deutzia
【マルバウツギとは】
・関東地方以西の本州、四国及び九州に分布する落葉低木。葉が明らかに丸いわけではないが、ウツギに比べると丸みがあることにちなんで命名された。日本で最も多く見られるウツギの一種であり、丈夫な性質を利用して垣根や防風林として使う例がある。
・開花はウツギと同じ5~7月頃だが、ウツギよりもやや早く咲くことが多い。花には5枚の花弁と10本の雄しべがあるが、雄しべの花糸が根元ほど太くなるのも本種の特徴。がある。花が咲く枝の葉には葉柄がないという大きな特徴を持つ。
・葉は長さ4~7センチの楕円形。縁には細かなギザギザがあり、枝から互い違いに生じる。葉の両面にはウツギの仲間に特有の星状毛(枝分かれした細毛)が密生し、この影響で葉の裏面は黄緑色に見える。なお、ウツギは秋に黄葉するが、本種は紅葉する。
・若い枝は紫がかった茶色で枝分かれが多く、枝葉は密生する。枝や果実にも星状毛が見られる。
・樹皮は灰色っぽい褐色で、株が古くなると縦に細かく剥がれ落ちる。幹は「空木」の名が示すとおり中空になっている。
【育て方のポイント】
・乾燥した岩場など、かなり条件の悪い場所でも育つが、花や紅葉を楽しむには日当たりの良い場所に植える必要がある。
・ウツギ同様に枝分かれが多く、放任すると鬱蒼としやすい。家庭に植える場合は定期的な剪定が必要となる。
・垣根に使うのは剪定に強いためだが、落葉樹であり目隠しにはならない。
【マルバウツギに似ている木】
・ウツギ
マルバウツギの基本データ
【分類】アジサイ科 ウツギ属
落葉広葉 低木
【学名】Deutzia scabra
【別名】ツクシウツギ
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】1m~2m
【用途】公園/垣根/防風林
【値段】1000円~