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ハナミズキ(花水木)

Flowering dogwood

薄紅色のハナミズキ
ピンクのハナミズキは同名の歌と共に人気が高い
ハナミズキ,特徴
半球状の冬芽には花が咲く 
ハナミズキ,葉っぱ
ピンクや赤の花が咲く木は、新葉にも赤みが入る
花水木,開花時期
開花は5月ころで葉も一緒に展開する
dogwood,flower,Japan
本当の花は中心部にあり、肉眼では確認しにくい
ハナミズキの品種
歌に惹かれて薄紅色の花が人気だが、品種は多い
はなみずき,種類
「レッドジャイアント」という品種は赤い花が咲く
ミズキの葉
葉はミズキに似るが、より小さいものが多い
はなみずき,紅葉,黄葉
紅葉はするが都市部ではそれほど綺麗にならない
ハナミズキniwaki
一般的には洋風の木とされるが・・・
dogwood in Japanese scene
寺社や和風庭園でも使われる
はなみずき,樹形
柔らかく仕立てればミズキと似た樹形になる
ハナミズキの実
秋に赤い実ができるが食用にはならない
花水木の実
豊作の年には木全体が赤く見える
ハナミズキとヤマボウシ
ハナミズキの樹皮は灰黒色で網目状の裂けがあり、ヤマボウシと全く違う

【ハナミズキとは】

・アメリカ東部及びメキシコ北東部を原産とするミズキ科の落葉樹であり、日本の野山には自生しない。アメリカのバージニア州やノースカロライナ州では州の花に指定されている。

 

・1912年に東京市長の尾崎行雄がワシントンへサクラを贈呈し、その返礼として1915年にアメリカから日本へやってきた(これにちなんで花言葉の一つに「返礼」がある)。東京の新宿御苑には寄贈当時の原木が残る。

 

・従来の日本の庭木よりも明るいイメージを持ち、管理にもそれほど手がかからないこと、花や実がかわいらしいこと、この木をモチーフとした一青窈の歌がヒットしたことなどもあり、庭木や街路樹としてさかんに使われる。 

 

・日本に自生し、コケシの材料として知られるミズキよりも花が目立つことから「花のミズキ」でハナミズキとなった。公園等の樹木表示板などで「アメリカハナミズキ」というものを見聞きし、管理人は違和感を覚えていた(ハナミズキはアメリカのものであり同意反復ではないかとの疑問)が、これは来日後しばらくはことさらにアメリカ生まれを強調していたことによるらしい。

 

・ハナミズキは白花が基本であり、当初は薄紅色の花が咲く品種を「ベニバナハナミズキ」と呼んで区別していたが、現在ではピンク花が主流になっており「ベニバナハナミズキ」という言い方はあまり聞かなくなってきた。

 

・ハナミズキの花期は4~5月でよく比較されるヤマボウシよりも1か月ほど早い。白やピンクの花弁のように見える4枚の「総苞片」が特徴的だが、本当の花は目立たない。

 

・花は中央部にある黄緑色のもので、小さな花が10~20ほど集まって球状になっているが、その詳細を老眼で確認するのは難しい。なお、ハナミズキの花芽は前年の9月ころから用意されており、画像のような半球状の冬芽(蕾)になって越冬する。

 

・花の後にできる実は10~11月頃になると深紅に熟す。枝先に3~4個がまとまって実るのが普通で、実は落葉後もしばらくは木に残る。アオキのように光沢があって美しく、小鳥の御馳走になるが、毒性があるため人間は食用しない。実の直径は1センチほどで、内部には種子が2粒含まれる。この種子を蒔けば芽が出るものの、発芽までに2年かかる場合もあり、販売品は接ぎ木によって作られた物であることが多い。

 

・ハナミズキの葉は直径10センチ前後の広い楕円形または卵形で、裏面は粉をふいたように白っぽい。葉の先端は尖り、対になって枝から生じる。若い枝には細かな毛があるが成長に伴って消える。葉は秋に紅葉するが、中途半端な色になることが多く、さほど綺麗にはならない。

 

・樹皮はクロマツやカキノキのように亀裂が入る。英語名の「ドッグウッド」は、ハナミズキの樹皮を煎じたものが、犬のノミ退治に使われたことから。

  

【ハナミズキの育て方のポイント】

・街路樹に使われるほど丈夫な木であり、病害虫も比較的少ない(まれにウドン粉病など)。しかし、基本的には湿気を好み、乾燥や強い日差し、暑さには弱い。また、日差しの少ない場所や養分の少ない土壌では花が咲きにくい。

 

・ヤマボウシに比べると寒さに弱く、北海道では霜対策が必要になることもある。

 

・枝は水平に広がり、放任しても樹形がまとまりやすく、中途半端に剪定すると樹形が乱れる。

 

・一般的には白花よりピンク系統の品種の方が成長が緩やかで、狭い庭に適している。

 

・花が上を向いて開くため、成長するに従って観賞しにくくなる。

 

・成分は明らかにされていないが、実や枝葉(樹液)に毒性があり、樹液に触れると皮膚がかぶれる人もいる。

 

【ハナミズキの品種】

・八重咲き(アルバブレナなど)のものや、枝が垂れるシダレハナミズキ、葉に黄色い模様が入るもの(デイブレイク、チェロキーサンセット、レインボーなど)、ヤマボウシとの交配種であるステラピンクなど。

ハナミズキの品種
葉に模様が入る品種は明るい雰囲気を持つ
はなみずき,カラーリーフ

【ハナミズキに似ている木】

 ヤマボウシ サンシュユ ミズキ クマノミズキ

 

【ハナミズキとヤマボウシの違い】

花の違い

違い
ハナミズキの花
見分け方
ヤマボウシの花

・ハナミズキの花は花弁に見える苞の先端が凹むが、ヤマボウシはその先端が尖る。また、花の時期はヤマボウシが半月~1か月ほど遅い。また、ハナミズキは花が咲いてから葉が出る(あるいは同時)が、ヤマボウシは葉が揃ってから花が咲く。

葉の違い

見分け,区別
ハナミズキの葉
ポイント,特徴
ヤマボウシの葉

・感覚的にいえばハナミズキは「カサカサ」で、ヤマボウシは「テカテカ」したビニールのような感じ。また、ハナミズキに比べるとヤマボウシの葉は緑が濃い。

実の違い

見分け方
ハナミズキの実
似ている実
ヤマボウシの実

・ハナミズキの実は楕円形で硬い。ヤマボウシの実は真ん丸で熟せば柔らかい。前者は毒性があるが、後者は甘くておいしい。

幹の違い

比べるポイント
ハナミズキの樹皮
山法師と花水木
ヤマボウシの樹皮

・ハナミズキの樹皮は灰黒色で、網目状にひび割れている。ヤマボウシの樹皮はハナミズキよりも色が明るく、ツルツルしているか、マダラ模様があり、冬でもそれなりに味わい深い。ただし、樹齢が若いと両者の区別は難しい。

ハナミズキの基本データ

 

【分類】ミズキ科/ミズキ属

    落葉広葉/高木 

【学名】Benthamidia florida

【別名】アメリカヤマボウシ/ドッグウッド

    アメリカハナミズキ 

【成長】やや遅い 

【移植】普通 

【高さ】5m~10m

【用途】花材/シンボルツリー

    街路樹/公園  

【値段】2000円~