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ヤブニッケイ
漢字表記:藪肉桂(やぶにっけい)
別 名:クロダモ/マツラニッケイ
クスタブ/ナンジャモドキ
ウスバヤブニッケイ
学 名:Cinnamomum japonicum
英 名:Japanese wild cinnamon
【ヤブニッケイとは】
・近畿地方から沖縄かけて、野山で普通に見られるクスノキの仲間。花や実に特徴がないためあまり目立たない木だが、葉が密生することや性質が丈夫であることから、目隠しや防風など実用的な目的で植栽されることが多い。日本以外では中国南部や韓国に自生する。
・葉は裏面が白く、クスノキ科独特の芳香がある。臭みを消すため、魚料理にこの葉を使う地方もある。
・雌雄異株でメスの木には黒い果実ができる。鳥が好んで食べるこの果実からは蝋燭などに使う油を採取できる。
・八丈島のヤブニッケイは「ヤブニッケイもち病」に罹ることがあるが、これは同島にのみ見られる菌類によるもの。
【ヤブニッケイの育て方のポイント】
・乾燥に強く、植え場所もあまり選ばない。
・比較的、安価に目隠し用の垣根を作ることができる。
・剪定を嫌う傾向があり形が乱れやすい。広めのスペースで伸び伸びと育てるのがよい。
・自生していたものは移植が難しい。
・その土地に元々あったヤブニッケイを風景に採り込む、あるいは海辺の町で、代々、風除けに植えていたというケースが多いが、時折、苗木として販売されるものもある。
【ヤブニッケイに似ている木】
・ニッケイとの違い
ともに3本の葉脈が目立つが、ニッケイの葉脈が葉の縁まで達するのに対し、ヤブニッケイは途中で消える。また、ニッケイの葉の方が芳香が強い。また、ニッケイにはより一般的に見られるマルバニッケイという品種があるが、これは卵形の葉を持ち、寒さに強く、樹姿も自然に整いやすい。
・シロダモとの違い
これもクスノキの仲間でよく似るが、シロダモは葉の裏側がより白いこと、葉の裏側の葉脈がボコッと飛び出していることで見分けられる。